ここにきて、作品の詳細について解説します。おもに写真のパネルと本について。
全部の画像はありませんが、一度ご覧になられた方も、これからお越しいただく方も
参考になさってください
現物はぜひ会場で!
写真のパネルは展示会場の左側から、
『放射線の行方』
フランス ボルドー ボルドーの駅にて撮影(2012年)
ボルドーからバイヨンヌに日帰り旅行に行く際に撮影した写真です。
ボルドーの駅は街はずれにあるけど、とても大きな駅でした。
カモミール・ペパーミント染 雲母入りの紙を台紙にしています。
今回の新作ですが、思いがけず人気があり喜んでいます。
『翼が見える?』
この写真ではよく見えないね
フランス パリ 国立近代美術館の入っているポンピドゥー・センターの
カプセルみたいに作られたエスカレータの中から見えたエッフェル塔を
撮影したものです(2009年)。夕日に浮かぶエッフェル塔と、黒~グレーの街の
グラデーションがとてもきれいだったので撮影しました。その時は気付かなかった
けど、エッフェル塔に薄く雲がかかっていて、それが塔の翼に見えたのです。
台紙は紅茶染め。アッサムの茶葉がそのまま漉きこんであります。
『ひとりでもひつじでも』
ニュージーランドの南端の島・スチュワート島で散歩中に撮影したものです(1995年)
南はもう南極というところ。たぶんペットで飼われていたひつじです。この作品は
かわいくて人気者なので、今回も登場してもらいました。
『巨大鳥の航跡』
現物を見ればわかります
フランス パリ セーヌ川のクルージング中に撮影しました。
空に飛行機雲がいろいろな図形を作っていておもしろかったので。
台紙は紅茶で染めた紙を揉んでシワ加工したもの。手前に見えるのは和紙ひこうき。
『次の空にあるもの』
愛知県茶臼山高原の面ノ木にある風力発電のプロペラ(2012年)
茶臼山高原道路のトンネルを抜けるとき、正面に大きくプロペラが見えてきて
感動して撮りました。といっても納得がいく写真が撮れなくて、1か月のうち3回ほど
通いました。また違う季節にも行ってみたいと思っています。よく見ると2基見えます。
ボルドーの記録にも書きましたが、私は風力発電のプロペラを見るのが好きなのです。
台紙は楮の黒皮入り落水紙。墨汁を薄めたものを吹き付け、少し色のトーンを落とし
ています。
『空と海まじわるところ』
ニュージーランド ケープ・レインガにて撮影(1995年)
ひとりでもひつじでもと反対に北島の北の端で撮影したもの。台紙はカモミール染。
今回のDMの写真です。
『ずっと行ってみよう』
岐阜県 偶然見かけた明知鉄道の単線を撮影しました(2013年)
天気がとても悪かったけど、なんとかきれいに写ってくれました。台紙はあずきの
煮汁とスオウで染めたもの。手前の石ころの感じが好き。
これらの写真はフォトカードとして販売もしています。もちろんパネルも販売中!
フォトカードには、パネルにはない、オーストラリアのモンキーマイヤの夕暮れの
カモメの写真や、ニュージーランドの道の駅みたいな休憩所で私のバッグに
乗ろうとしている猫の写真などもあります。和紙を3枚手作りの糊で圧着し色付きの
紙をマスキングテープのように貼りました。
今回展示している本『あのころ』は、フランスのボルドーや名古屋などでの
ワークショップ用に作ったサンプルを、すべて自分の紙で作り直したものです。
文章は1995年5月7日に書いた自分のスケッチブックから。表紙の紙はボルドーで
写真を展示した時に台紙に使った雲母入りビワの葉染め落水紙。本文の紙は
ビワで染めた薄いピンクとカモミールとミントで染めた淡い黄色の紙を使用。
そこに文章を印刷した白い紙を繊維が出るようにちぎって貼りました。
表紙の紙
作った本のすべてを会場に搬入してしまい写真がないので、これ以下の写真は
サンプルとして作った時のものです。色紙は私が漉いたものではありません。
これまでも何冊も本を作ってきて、今回の作品展の準備をしているときに、私は
やっぱりもっと本を作りたい!と強く思ったものです。紙から言葉から、すべて。
『あのころ』はそのオープニングみたいなもの。だから、もし会場にお越しに
なったら、ぜひ手にとって読んでいただきたいのです。和紙の感触、軽さや重さ、
そして言葉をじっくり感じてください。
では今日のトップの写真は何かというと、これは私がこうしてブログを書いている
間に、ぴあくんが紙の切れ端を月下美人に運んで作った巣です。作品のひとつ!?
巣の中にはぷる。写真の右上にはぴあ君が運ぶ様子が写っていますね。
ちなみに、るーは今は私のひさの上でうとうとしています。
仲良く二人揃っていますが、
あなたたち、親子ですよ!