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クリエイト速読スクールブログ
なおしのお薦め本(34)『ジロジロ見ないで』
クリエイト速読スクール文演第1期生の小川なおしさんから、お薦め本が届いています。
『ジロジロ見ないで』
~“普通の顔”を喪った9人の物語
構成♦芽島奈緒深
物語、だけでなく写真がたくさん載せられているのがこの本の特徴でしょう。
「顔に手術や治療で治すことのできない、アザや病気、ヤケドを負って」いる人たち。
その中に有名人が一人だけいて、それが仮面ライダー2号一文字隼人役の佐々木剛さんです。引用します。
「1982年2月15日、早朝5時半、窓の外はまだ暗く、夜が明け切らないころ。いつもならぐっすり眠っている時間帯だが、オレは布団の中でふっと目を開けた。木造アパートの古びた天井を見ながらあくびを一つ。鼻を、変なニオイがくすぐった。顔で感じる、部屋の空気もやけに暖かい。何だ? オレは、目をこすりながら上半身を起こした。その瞬間、足元の先でメラメラと燃え立つ炎が目に入った。はぁ!? なんで部屋が燃えてるんだよ‼ とっさにオレは、手にしていた布団を炎にかぶせた。しかし、火は消えるどころか、逆に勢いを強め、またたく間にふすまをはって天井へと燃え上がっていった。そのすさまじさに、オレは尻もちをついた。体が固まってしまったようだった。いったい何がどうなっているんだ……。動かない体とは反対に、頭が回転しだした」
「確か、オレは酒を飲んで、酔っ払って家に帰ってきた。夜中の12時だったか、1時だったか。寒いから石油ストーブをつけて、押し入れを開けて布団を出し畳の上にしいた。それから……。しまった! ストーブを消していない‼」
「水をくみに行こうとしたが、すでに台所にも行くことができないほど、炎が広がっていた。オレは窓から隣のアパートの階段に飛び移って、叫んだ。誰か、水を下さい! 人の家のドアをどんどん叩きながら、大声で叫び続けた。誰か早く! 火事なんです! オレは、バケツにくんでもらった水をかかえては、燃える部屋の中に飛び込んでいった。繰り返し繰り返し。次第に、炎がバケツを持つ手に迫ってきた」
「その後、どうやって病院へ運ばれたのか、まったく記憶にない。気づいたときには、オレは病院の集中治療室のベッドの上だった」
「そのまま3日間、オレは集中治療室のベッドの上で意識不明の状態だった。意識を取り戻したとき、初めて自分が置かれている状況を知った。顔が2倍以上に火ぶくれしていて、包帯でぐるぐる巻きにされていたのだ」
四回の皮膚移植をした結果なのですが、佐々木氏の現在の写真から見ると、ヤケドの跡はあまり目立ちません。実は、この本に登場する9人の中で、佐々木氏はもっとも普通に近い顔を持っているのです。
前書きに「彼らは、ただ見た目が“普通と違う”というだけで、人から好奇な視線を向けられてしまいます」とあります。写真を見ると、まさに異形の人なのです。重い気分にもなります。ただそれが、本文を読んでそれぞれの物語を知ったあとでは「ああ、ああいった理由でたまたま今こういう外見になっている○○さんだ」という、なんというか軽い気持ちになる。これこそが、この本の構成者の狙いなのではないでしょうか。 なおし
仮面ライダー (A) | ||||||||||
2007-08-29 20:05:52 | ||||||||||
女の子ですが、喜んで観てました、仮面ライダー。
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■小川なおしさん参考記事
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ちょっと焦りました
一人一人にドラマがあって、泣けましたね~
小川さん、ご紹介ありがとうございました!
んで、読んだ本の…
私には小川さんのような、きちんとした文章は書けませんが…(泣)
いつも書きなぐり(打ちなぐり?)ですゆえ…
この本は以前から知っていたのですが、読もうという気にはなりませんでした。ところが佐々木剛さんが載っていると知って、気持ちが変わりました。結果としては、読んでよかったということです。