教室のこと・速読のこと・受講生のスコア・SEG講習生のスコア等々について書いています。
クリエイト速読スクールブログ
書き方よりも読み方が変わった
第61期文演(14/1/25~4/26)アンケートです。
きょうは、大学教官のYさんです。
Yさんの文演アンケート
Q.1 当講座をどんな目的で受講しましたか?
A.1 まず,素早く的確な文章を書けるようになりたいということだ。そのためには,臨場感・緊張感のある雰囲気の中で学ぶことが有効だと考えた。速読の経験からして,文章演習講座は確実にその場を提供してくれるに違いない。せっかくクリエイト速読スクールに通っているのだから,こんなに面白そうな講座を受講せずにいるのはもったいない。
これらの理由から,文章演習講座を受講する機会を狙っていた。昨年7月に発表された第61期の日程を見ると,仕事と重なっている日はなかった。この機会を逃すと次はないと考え,受講申込みの開始を待って,すぐに申し込んだ。
Q.2 「文演」を受講して文章への印象で変わったことがありますか?
A.2 文章の書き方よりも読み方が変わった。
以前は,文章の構造と大意を素早くつかむことを優先し,細部や描写はサラリと読み飛ばしていた。受講後は,細部の表現,具体的な描写に目がいくようになった。具体的な描写でイメージをふくらませ,細かい表現に込められた意味を考えるようになった。
もちろん,受講前も,仕事関係では,この「等」にこめられた意味はなにか,この二つの要素は並列なのか補足説明なのかと,細部に着目して精密に読み取ろうとしていた。現在は,あらゆる文章で自然にそのような読み方をしようとするようになった。特に,小説と新聞についてはそうだ。
小説を読む際には,ストーリーの展開や登場人物の台詞よりも,何気なく書かれた情景や人物の描写に目がいくようになった。そうすると,その描写が確実に活きていることに気づく。これまでの読み方では小説の醍醐味を十分に味わえていなかったと後悔している。
新聞を読む際には,社説などのニュース以外の部分はタイトルだけ眺めて読み飛ばしていたが,きちんと読むようになった。その際,後述する要約の失敗を教訓に,自分の興味関心や考えはひとまず脇において,段落やセンテンスの軽重に着目し,その文章のメッセージを正確に把握することを意識するようになった。時事問題についての主義主張を書いているだけと思い込んでいた社説が,いかに考え抜いて書かれているか理解できるようになった。これまで読まずに捨てていたのがもったいない。
ところで,「受講途中の感想」で,書くことがかえって遅くなったと書いた。読み方にも影響が出た結果,読むことまで遅くなってしまった。読み書きのスピードアップのために速読を受講し,文演を受講したにもかかわらず,皮肉なものである。
Q.3 宿題の「要約」はどうでしたか?
A.3-1 「授業前」 原文の構造を正確に反映させることを心がけた。一読して,シンメトリーの構造になっていると理解した。要約を作成する際には,原文を最大限活かしながら,この構造を正確に,原文以上に明確に表現しようとした。
提出後,全員分の要約が配布された際に自分の要約を読み返してみて,詰め込みすぎたと感じた。また,原文のつぎはぎのようで,全体的にぎこちない文章になってしまったと感じた。原文の構造の反映に気を取られすぎて,原文を読んでいない読み手にとっての読みやすさを考えていなかったことに気づき,反省した。
A.3-2 「授業後」 出発点からして間違っていたことに気づいた。文章には,書き手が伝えたい内容があり,内容を読み手に伝えるために形があるという,当たり前のことがすっかり抜け落ちていた。その結果,ストラクチャーに目を奪われて,コンテンツをおろそかにしてしまった。まず,この文章は何を伝えようとしているのかを突き詰めて,伝えるためにどのような構成をとっているのかという順番で考えるべきだったと後悔した。
松田さんは,他の受講生の要約へのコメントを通じて,私の要約の問題点を的確に指摘してくださった。少なくとも私はそう感じた。直接指摘されるよりも身にしみる,身に刺さるものだった。冷や汗をかきながら,自分の要約へのコメントよりも,他人の要約から学ぶべきだとおっしゃっていたのはこういう意味かと感じた。
Q.4 全体的な感想をお聞かせください。
A.4 一言で言えば,楽しく有益だった。
当初のもくろみ通り,毎回楽しく受講することができた。自分の頭をフル回転させて,他の受講生の発言に感心し,松田さんのコメントに驚かされる。楽しい2時間半の連続だった。1回欠席せざるをえなかったことが心残りだが,それを差し引いても楽しかった。
楽しいだけではなく,自分の至らなさを改めて自覚することができた。特に,要約についての厳しい指摘から,読み方,書き方についての課題が明確となったことが非常に大きな収穫だった。読み方については「2」で記したとおりである。書き方については,読み手に負担をかけずに内容が伝わる技を磨くとともに,文章が隙だらけにならないよう常識を蓄えていかなければならない。これらを意識しながら,今後の速読トレーニング,日々の読み書きに精進し,今度こそ速く読み,速く書けるようになることが今後の目標である。
なお,このアンケートには今後の文章演習講座の宣伝という意味合いもあると思うので,最後にその点について一言。楽しかった,有益だったというのはあくまで主観的な感想である。講座の内容が充実していることを客観的な数字で示すと,私の手元にはワードファイル26ページ分のメモとPDFファイル423ページ分の資料が残っている(資料については配布時のもの,授業中に書き込みをしたものなどの重複あり)。内容が薄ければメモなど取らないし,後からわざわざまとめもしない。資料に価値がなければ読まずに帰りに捨ててしまう。捨てないどころか,抜粋として配布された資料の元の書籍の多くを購入してしまった。18時間(2時間15分×8回),55,000円の価値の評価は人それぞれであろうが,整理された形で手元に残ったメモと資料の分量だけからしても,十分な価値があると断言したい。
「1回欠席せざるをえなかったことが心残り」は、2月14日(土)の3回目。山梨県甲府市で114センチの積雪があった日でした。
こちらの不十分さを衝かないで、自身の「至らなさ」なるものに視線が向いています。いやはやです。
9月18日(木)、Yさんは、速読の受講がついに200回を迎えました
受講アンケートも、義理堅く、すでに届いています。
27日土曜7時から、第62期文演がスタートします。
台風16号の直撃はなさそうというだけで、幸運な船出になります 真
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A2はものすごく勉強になる文章でした。