シフトチェンジが綺麗にいかないということで調整依頼を受けたのですが、
確かにストロークオーバーさせてから戻すようにしないと変速が決まらない。
でも一見してチェーンが伸びているのが判ります。
手でクランクを回すと滑らかに回らずガサガサと音とともに振動が伝わります。
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フロントギアの歯先からチェーンが浮いている状態。
無負荷だとチェーンが浮いて、負荷をかけると噛み込みます。
この噛み込みの抵抗は大きく、トルクを奪われてしまいますね。
シマノのチェーンは横方向に適度のしなりがありインデックスに適応するような設計になっているのですが、
チェーンが摩耗すると大きくしなる様になり捻じれ方向にもよれる様になります。
そうするとシフトレバーを動かしてもディレーラーにチェーンが追従しなくなります。
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新しいチェーンに交換したら歯先に密着するようになりました。
クランクを回しても振動はありません。
フロントだけでなくリアもきっちり変速するようになりました。
この後はケーブルテンションとHi-Low調整で完了。
チェーンの消耗は、使用環境やグレードに寄りますが、3000キロから4000キロ。
一回チェーンを交換して、二回目のチェーン交換の時にリアスプロケットの交換。
三回目のチェーン交換して、四回目のチェーン交換するときにリアスプロケットとフロントギアの交換。
フロントはよく使うギア一枚だけ交換することもあります。
その時にリアディレーラーのプーリーが減っていたら交換。またはリアディレーラーのハウジングにガタが出てきてたらディレーラーごと交換。
大体こんな交換サイクルですが、通勤や日本一周など雨の日でも乗るような人は3000キロ持たない場合もあるし、
負荷をかけない乗り方や注油して綺麗さを保っているとDURA-ACEクラスなら10000キロくらい持つ場合もあります。
摩耗したチェーンをそのまま使っているとギアとのピッチがずれるため、負荷をかけた時の噛み込みの摩擦によりギアが削れていきます。更にチェーンもすり減るという悪循環でチェーンとギアは加速度的に消耗していきます。
チェーン交換が一回目なのに歯飛び現象を起こすのはそういう場合です。ギアも交換しましょう。
8速時代のデュラエースは30000キロは走れたんだけどね。6速時代ならインデックスが無いので5万キロ越えも……。
5速時代なら……データが無いや。