生きること
それはなんて楽しいことなのでしょう
なんて心地よいことなのでしょう
悲しいこと、夫、心配ごと、借金や親のこと、陰口
悲痛な苦しみやうんざりするような煩わしいこと
それでもなお
生きるとは心をとろけさせること
愛し愛されること、それは天国!
あなた、あなたも愛すことができるのです
ジョルジュ・サンド
故郷の友人シャルル・デュヴェルネへの手紙 1831年7月19日
『書簡集』第一巻 p921(ジョルジュ・リューバン編 Clasique Garnier 1964)
この手紙は、サンドが夫カジミール・デュドゥヴァンと交わした契約(彼女の生活をパリで三ヶ月、ノアンで三ヶ月を交互に送ることとする)にしたがい、二度目のパリ滞在をしている時に書かれたものです。
この引用文に関しては、これに類する文章を合成した引用文やこの文がサント・ブーヴ宛ての手紙に書かれているとする例などが巷に散見されますが、あたかも「毛を吹いて疵を求む」ようにサンドの人生と作品について調べ上げ、サンド研究に貴重な功績を残したジョルジュ・リューバンのサンド書簡集を、本ブログは主たる典拠としています。
サンドの書簡集については、下記の書が参考となるでしょう。
GEORGES LUBIN "Correspondance" 全25巻:Classique Garnier(1964-1991)および第26 巻: Du Lérot, 1995
THIERRY BODIN "Lettres retrouvées" :Gallimard, 2004
THIERRY BODIN "George Sand Lettres d'une vie" Gallimard, 2004, édition sélective
http://pagesperso-orange.fr/George.Sand/Biblio6.html
http://www.amisdegeorgesand.info/fichfaq27.html