子どもの未来に無限の理想を託す・・・親が陥りがちな白昼夢です。
そんな中、早期教育は無効、強制してやらせてはいけない、等、
過剰な期待の弊害も指摘されています。
食べ物はどうでしょうか?
素材を味わう自然食品を心がけ、
たんぱく質と脂質を中心に置き、
ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取すれば足る、
を私は思いますが。
脳によい「ブレインフード」なるものが存在するそうで、
それを取り扱った記事が目に留まりましたので紹介します。
記事で取りあげられた食材を列挙してみます;
・ベリー類:ビタミンCが豊富・・・免疫系、脳にも働く
・スモモ(プラム、プルーン):トリプタファンが豊富・・・気分の安定に関わる神経伝達物質のセロトニンや、睡眠を促すメラトニンの生成に関与
・サツマイモ:ビタミンAが豊富
・魚:DHAが豊富
・その他:オーツ麦、ナッツ類、柑橘類、豆類、さまざまな色の野菜
・・・以上の食材がお勧めで、最後の一押しは「親がお手本を見せる」こと、
つまり上記食材を子どもの前で親が美味しそうに食べることだそうです。
あれ?
たんぱく質・脂質・糖質(炭水化物)のバランスについての言及がありませんね。
まあ、バランスのよい食事ができているという前提なのでしょう。
▢ 脳にいい「ブレインフード」とは、子どもの脳には特に重要
脳の健康に重要な約45の栄養素から子どもが食べやすいものを紹介
(2025.04.02:National Geograpic)より一部抜粋(下線は私が引きました);
「ニンジンに含まれる栄養素は目の健康に欠かせない」「カルシウムが豊富な牛乳は歯や骨のためにいい」といった話はみな聞いたことがあるだろう。では、脳によい食べ物についてはどうだろう。
「神経科学の観点から言うと、実際、脳の健康のために食べ物は重要です。脳は栄養素を燃料にして機能していますから」と、米ワイル・コーネル医科大学ウィメンズ・ブレイン・イニシアティブを主導するリサ・モスコーニ氏は言う。
脳は年齢によってさまざまな栄養素を必要とする。とりわけ、幼児期は脳の成長や発達、健康にとって特に重要な時期だ。(参考記事:「皮を食べないと大損する野菜や果物、キウイやニンジン、柑橘類も」)
「生まれてからわずか数年の間にも脳は急激にニューロン(神経細胞)を成長させていきます」と、神経科学者でもあるモスコーニ氏は言う。
現在、脳の健康にとって重要な栄養素は約45あると分かっている。タンパク質、亜鉛、鉄、コリン、葉酸、ヨウ素、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンB6、ビタミンB12、オメガ3脂肪酸などだ。
もちろん、「葉酸」「コリン」と聞いて「おいしそう」などと思う人は、子どもにも大人にもそういないはずだ。そこで、そうした栄養素を豊富に含む食べ物に目を向けてみよう。以下に挙げる食材のほかにも、オーツ麦、ナッツ類、柑橘類、豆類、さまざまな色の野菜を食事に取り入れるとよい。(参考記事:「体にいいナッツ5種、がんや認知機能などに効果、ベストはどれ?」)
「早いうちに始めることが大事です」と、米ボストン小児病院の小児科医で米ハーバード大学医学部の小児科助教のクレア・マッカーシー氏は指摘する。「子どもが健康によい食べ物しか知らなければ、そうした食べ物を食べる・食べないで親と揉めることはかなり少なくなります」
取り入れる食品群をいくつか絞って、新しい調理法をトライしてみよう。家族の脳の成長にいいものを提供することは、思ったよりも簡単なはずだ。
▶ ベリー類
ブラックベリーやブルーベリーなどのよく見かける安価なベリー類にも、ビタミンCが豊富に含まれている。ビタミンCというと免疫系を思い浮かべる人が多いが、脳にも必要な栄養素だ。体内に生じたフリーラジカル(遊離基)はDNAや細胞にダメージを与えるが、それを中和する上で、抗酸化物質であるビタミンCが重要な役割を果たす、とモスコーニ氏は言う。
「神経伝達物質、すなわち神経系の信号伝達に使われる化学物質の生成にもビタミンCは重要です」と、モスコーニ氏は説明する。ビタミンCが不足すると、脳を含め、多くの体内組織の結合が弱まり始めるという。(参考記事:「「ビタミンCで風邪を予防」のウソ、誤解生んだノーベル賞化学者」)
ラズベリー、ダークチェリー、マルベリー(クワの実)、ゴジベリー(クコの実)も優秀な食材だ。ベリー類には、天然の糖分と消化器系に重要な食物繊維もバランスよく含まれている。
子どもに食べさせるには:今回のリストの中では、おそらくベリー類が一番食べてもらいやすいが、変化を付けたいのであれば、ヨーグルトやダークチョコレートに浸して食べるのがモスコーニ氏のお勧めだ。
ダークチョコレートには、トリプトファンという必須アミノ酸が含まれていて、それ自体も脳によい食べ物だ。または凍らせたベリー類をシャーベットにしてレモン汁とメープルシロップを少しかけて食べるのもよい。(参考記事:「冷凍の野菜と果物、実は栄養たっぷり、生よりよい場合も」)
▶ スモモ(プラム、プルーン)
生のスモモ(プラム、プルーン)にも、ドライフルーツにしたスモモにも、トリプトファンが豊富に含まれている。トリプトファンは、気分の安定に関わる神経伝達物質のセロトニンや、睡眠を促すメラトニンの生成に関わっている。睡眠は脳の休息であり補修の時間だ。(参考記事:「睡眠薬が脳の掃除を妨げているおそれ、認知症とも関連、最新研究」)
チアシードや、ダークチョコレートの原料であるローカカオ(生のカカオ)にもトリプトファンが含まれている。
子どもに食べさせるには:ドライフルーツのスモモは甘さと独特の味わいが絶妙に合わさっており、ピューレ状にすれば、赤ちゃんの離乳食になる。もう少し成長したら、リンゴの代わりにスモモを丸ごと弁当に入れるのもいい。あるいは、半分にスライスしてピーナッツバターをたっぷり塗れば、食物繊維とタンパク質たっぷりのヘルシーなおやつになる。(参考記事:「大腸がんのリスクを下げる食物繊維、1日にどのくらい取るべき?」)
▶ サツマイモ
「子どもの脳の健康にいい食材を1つだけ挙げるとしたら、濃い緑色をした葉野菜を選びます」とモスコーニ氏は言う。とはいえ、正直なところ「子どもは葉野菜を食べてくれません」と認める。
では代わりに、サツマイモはどうだろう。自然の甘味があり、いろいろな料理に使え、ビタミンAという別の抗酸化物質が豊富に含まれている。ビタミンAは脳の健康全般に重要な必須栄養素で、深刻なビタミンA不足は、中枢神経系の発達と機能を妨げるおそれがある。
子どもに食べさせるには:ゆでてつぶす、オーブンで焼く、揚げる、グリルで焼く、フライドポテトやタルト、パンケーキ、スープにするなど、レシピは無限にある。(参考記事:「ビタミンやミネラルの相乗効果、一緒に取るといい組み合わせ6選」)・・・
▶ 魚
人の脳の半分以上は脂肪でできている。つまり、脂質が神経の健康に何らかの役割を果たしているのは明らかだ。だが、どんな脂質を摂取するかが重要だ。
例えば、オメガ3脂肪酸の一種、DHA(ドコサヘキサエン酸)は、ニューロンの形成に極めて重要だ。ニューロンは、健全な脳の成長や発達、学習能力を担っているとモスコーニ氏は説明する。
DHAを摂取するには、「脂肪の多い冷水魚に注目すべき」だという。DHAが豊富なのは、サケのほか、サバ、アンチョビ(カタクチイワシ)、イワシ、ニシンなどの青魚だ。(参考記事:「DHAなどオメガ3脂肪酸は「肺の健康にも重要」、初の報告」)
子どもに食べさせるには:幼い娘がいるモスコーニ氏は、「ワンランク上のフィッシュ・スティック(衣を付けて揚げた棒状の料理)」と名付けた料理をよく作るという。魚の切り身を卵液に漬け、細かく砕いたピスタチオとアーモンド、パン粉、塩を混ぜたボウルに入れて衣を付ける。ココナッツオイルかエキストラバージンオリーブオイルでソテーしてできあがり。
もちろん、子どもが青魚に手を出そうとしない場合は、冷凍食品コーナーで定番のフライやスティックを使って、魚の味に慣れさせるのも手だ。ティラピアやタラにも、健康にいい脂肪酸が含まれている、とマッカーシー氏は言う。
マッカーシー氏から最後にもう1つアドバイスがある。それは「親が手本を見せること」だ。
「子どもは親を見ていて、親から学びます」とマッカーシー氏は言う。「健康によいブレインフードを子どもに食べさせたいのなら、親も食べるべきです」(参考記事:「いつまでも記憶力は保てる、脳にいい運動の程度と食事とは」)