廣島パイレーツ・チャンネル

広島の名も無き”田舎侍”が地元プロスポーツを中心に色々と書いて行く過激なスポーツコラムや、広島の市政や街づくりについても

名解説者さんの憂い

2020-08-11 22:22:22 | Weblog
 実は私がプロ野球と地元のカープに興味を持って本格的に応援をし始めたのは元・監督の野村さんや緒方さんら同世代の選手達ががデビューした頃、20歳を過ぎてからです。 そして彼らが主力選手としてチームを牽引しカープが前半に首位を走っていたシーズンにフジテレビ系のスポーツニュースで解説者の豊田泰光さんが「広島なんかが優勝したらプロ野球が盛り上がらない」みたいな発言を、これが私が豊田さんの名前を知った最初の出来事で今だったらSNS時代で炎上案件でしょうけど。 当時はテレビによく出られていて豊田さん御本人と言うより”テレビ屋”さん達の本音がつい口に出たのかも。 晩年の頃に日本経済新聞のスポーツ欄で連載コラム『チェンジアップ』を持たれており野球界の将来を憂う話や未来への建設的な提言とかされていたのですが連載の終了後、2016年に81歳でお亡くなりになっています。 ご存命だったら今の野球界をどう語られるのか想像してしまいますが。 ここで18年前の日経新聞コラム記事を無断引用させて頂きます。 出来れば日本経済新聞さんには当時のコラムの出版とかアーカイブとか、今の人達にも見て頂きたいのです、果たしてどう感じるのか...

 ==================(以下・引用)=======================

 『地方球場を眠らせるな』

 松山・坊ちゃんスタジアムでのヤクルトー阪神2連戦(二十四、二十五日)は三万人、二万五千人の盛況だった。平日の話だが、同カードで神宮球場だと二万人という日(四月十五日)もあった。阪神ファンが多い土地柄もあろうが、プロの試合が”供給過剰”の首都圏より喜ばれる。
 さびしいのはこの野球どころでの公式戦が今季はこれっきりということ。
 天然芝が美しい球場に、このカードの開催に合わせて、松山の”野球殿堂”もオープンした。「の・ボールミュージアム」。打者、四球など野球用語の訳語を生み出したとされる松山出身、正岡子規の雅号「野球=のぼうる」にちなんでいる。
 松山商業出身の千葉茂さん、西本聖投手らの記念品が並ぶ。こうした歴史だけでも人々の野球にかける情熱がわかるわけだが、もう一つ熱い話を耳にした。
 元のNTT四国野球部を母体とするクラブチーム、松山フェニックス。このチームに財政支援するなど市をあげて応援している。バスを借り切る余裕もなく、遠征は自家用車に分乗という状態らしいが、何とか都市対抗に出そうと応援している。
 こんな「市民チーム」が出場してこそ本当の都市対抗、という気もするが、とにかくこういう球場と熱がそろう場所がプロ野球過疎地のまま置かれているのは惜しい。同じことは巨人のキャンプ地、宮崎・サンマリンスタジアムにもいえる。今季は一軍公式戦はなく、二軍戦の2試合のみ。
 興行権を丸ごと売ってしまう「売り興行』は別として、遠征試合には興行上のリスクがある。しかし、それを覚悟で出掛ける意味がある。パ・リーグが来季からプレーオフ制を導入する。しかし目先を変えるような改革でなく、もっと機動的に地方で試合を組む方が野球人気を保つうえでも大事だと思う。
 地元にも大所高所に立ってほしい。巨人、阪神がらみのカードなら、という地域もあると聞くが、そういうわがままはいけない。立派な器をもてあます前に、相手をパ・リーグまで広げ、まず営業だ。「一流」に踏みしめられてこそ、天然芝の緑も映えるのだから。

 (2003年5月29日 野球解説者・豊田泰光さん・故人)


大阪アウェ―遠征(中編)

 パナソニックスタジアム吹田へのアウェー遠征からの大阪旅行の2日目はまず宿泊した天満・天神橋筋商店街のネットカフェで目覚めたところから始まった。 ナイトパック12時間コースで時間に......

 東京ディズニーランドにも近い、千葉市の幕張に『千葉マリンスタジアム』と言う野球場がある。 海からの強風に煽られて打球が不規則に変化するなど、独特な気象条件が逆に球場の個性として多くの野球ファンに親しまれている。 現地マリーンズファンの素晴らしい応援スタイルも定評がある。

 え...そんな事をわざわざ説明しなくても良い。 大抵の野球ファンは”常識”として知っている...ですか? 本当にその通りですね。 でも何故知っているのでしょうか? 言うまでも無くマリーンズがこの球場を本拠地としており、年に60試合近くを戦っていて多くの”ドラマ”が生まれ、今言いました”千葉マリンスタジアムの個性”もそれに一役買っているからだと思います。

 物事に”IF”は禁物と言いますが、もしマリーンズの本拠地がこの球場で無かったら? マリーンズは以前はここでは無く、川崎球場を本拠地としていました。(当時はオリオンズ) 先日、この千葉マリンスタジアムでスワローズが試合を行いましたが、もしかしたらこんな風に年に2~3試合しか行われていなかったかも知れません。 そうなったら、ここの名物である強風も”球場の個性”では無く、ただプレーヤーを悩ませる厄介物になっていたかも知れません...

 『坊ちゃんスタジアム』がどんなに素晴らしい球場だとしても、年に2~3試合行われる程度では野球ファンの印象に残る事もありませんし、”日本野球発祥の聖地”として語り継がれる事もありません。 やっぱり、プロ野球の地元チームを持たないと! どんなに人気があったって他地域の球団を有り難がっている場合ではありませんよ。 マリーンズはタイガースに比べてファンの数では比較ものなりませんが、野球ファンの中での存在感では坊ちゃんスタジアムは千葉マリンスタジアムの足元にも及ばない...

 『坊ちゃんスタジアム』では今回出来た『の・ボールミュージアム』だけで無く、サブ球場として『マドンナスタジアム』も造られたそうだ。 ちゃんと自前のチームを持ち、歴史を重ねて行けば、この球場は”日本版のヤンキースタジアム”、”日本野球発祥の聖地”として日本中の野球ファンに親しまれるのではないかと私は思います。

 今、日本各地で新しい野球場が出来たり、整備されたりしている。 でも球場施設の立派さを自慢し合っているだけではすぐに忘れ去られてしまいます。 プロ野球チームを誘致しても良いし、12球団では少ないから新設しても良い。 自前の球団を持って全国、いや世界に自分達の地元を発信していって欲しいものです。


 ...と、ここまでが2003年に書いた記事の”蔵出し”です。 この頃だったか豊田泰光さんはプロ野球(NPB)球団の無い新潟県へ講演に行かれた時に地元の野球ファンから息子が巨人戦に全く興味を持ってくれないと嘆かれたとコラムで書かれていましたが球団の無い地域でJリーグクラブが地道に地域密着で頑張っている事に危機感を持たれていたのですがプロ野球界の動きは遅く。 そして翌2004年に球界再編騒動が発生し球団数を減らして贔屓チームを失ったファンを残った球団で”分配”しようとする傲慢なやり方でしたがファンの反感を買って止めて仙台に新球団を創り12球団2リーグ制を維持して交流戦を導入した訳ですが。 それ以降の変化はプロ選手による国別対抗大会ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の導入が2006年で球団数は変化が無くホークスの親会社がダイエーからソフトバンクに代わったくらいで。 オリンピックの正式競技から外されたのも変化の一つで復活は相当に厳しいでしょう。 またサッカーJリーグに続いてバスケットボールが紆余曲折の末に完全プロ化してBリーグが誕生し今はサッカーと同じ3部まで在りますね。 ラグビーもトップリーグを再編しプロ化を模索していますし。 人気面や人材育成の面など、野球も何もしなければ将来の先細りは避けられないのだが... 何とか私の生きている間くらいは持ち堪えられると思いますけど。

 ...以上です。

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