「転校生」という昔の映画がある。昭和57年の映画である。監督は大林宣彦である。一人の男(尾美としのり)と一人の女(小林総美)の心が入れ替わる、というストーリーで観た人も多いのではないだろうか。良い作品だと言われているようだが、私は矛盾を感じた。それは、ちゃんと性格が入れ替わっていない点である。心が入れ替わる前、男の尾美としのり、は、おとなしい性格であり、女の小林総美、は、活発な性格を演じている。それが心が入れ替わった後でも、男はおとなしく、女は活発である。女の心を持った男、と男の心を持った女の表現はうまい。が、性格は入れ替わっていない。尾美としのり、は、「このやろー」だの、「てめー」だのと言ったりしない、胡坐をかいて食事をしない、学校でやたら活発でもない。
私は別にあげつらおうという気持ちで観たわけではないが、やはり矛盾を感じる。男は、はじめにもっと、あばれ、女は、つつましく性格を演技していれば、矛盾はなく作れたはずである。
私は別にあげつらおうという気持ちで観たわけではないが、やはり矛盾を感じる。男は、はじめにもっと、あばれ、女は、つつましく性格を演技していれば、矛盾はなく作れたはずである。