小説家、反ワク医師、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、反ワク医師、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

子供のスポーツ

2009-08-09 02:12:26 | 武道・スポーツ
プールに行ったら、小学生のシンクロナイズドスイミンクの練習をしていた。見事である。しかし私は、英才教育として子供の頃から一芸を身につけさせる事のメリットとデメリットを考える。

メリットとしては、子供の頃に運動しておくと、大人になってから体力が落ちにくい事。丈夫な体をつくれる事。自分に自信がもてる事。一つの事に打ち込み、やり抜く強い精神力を身につけられる事。だと思う。

しかしデメリットもあると思う。子供の頃から一つの優れた能力を持ってしまうと、優越感をもった天狗になってしまいかねない。優越感が満足感につながると、人生を大きく取り組もうという情熱がなくなってしまう危険があるとも思う。これは、その子の性格が大きく左右する。

実際、私の中学ではテニス部で上手い生徒の中には、小成されて、小さな完成で、優越感とちっぽけなマイホーム主義で人生の設計図をたてて、人生に対する情熱がなくなってしまっている生徒も、かなりいた。そんなことなら、特技など身につけない方がいいと思う。

これは特にスポーツおいて言える事だ。各スポーツには、それぞれ一番ふさわしい年齢がある。プロ野球選手などでは40才を越しても、現役で活躍している人はいるし、プロレスに至っては、50才を越しても現役でやってる人もいる。しかし、女子体操にせよ、スポーツ全盛期年齢は低くなる一方である。全盛期の年齢を越すと勝てないからである。

別に自分の人生をどう生きるか、というのは、自分の判断だし、こういう生き方をすべきだ、という結論などない。

しかし若くしてオリンピックで金メダルをとって、人生をなしとげ、後は、過去の栄光の思い出にひたって、天下り的に、スポーツ指導者となったり、名前で芸能人になって、ゲタゲタ笑うだけの人生とはどんなものか。

人間は平均寿命まで生きられるという保証はない。しかし私は人生とは、生きてる限り目的を持って、情熱を持って生きるのが素晴らしいと思っている。

空手家の南郷継正氏は、この事もかなり論じている。

ただ芸事といっても、スポーツは肉体的条件の制約があるから、ちょっと例外的だろう。創作、作曲、芸術、学問などは、肉体的制約がないから、一生打ち込む事が出来る。

「葉隠」では、芸事を徹底的に批判している。

「芸能に上手といわるる人は馬鹿風の者なり。これは、ただ一遍に貪着する故なり。愚痴ゆえ、余念なくて上手になるなり。何の役にも立たぬものなり」

また漫画では、梶原一騎の「夕やけ番長」の赤城忠治や「愛と誠」の太賀誠、「ドーベルマン刑事」の加納錠二、などは、運動神経は良くても特技というものを持っていない。これが、かえって格好いいのである。これは、特技を持った敵と戦うストーリーを作るため、主人公は特技を持てないという、ストーリー作りのためでもあるのだが。特技とは、物理的なもので何ら精神的なものではない。しかし主人公は物理的なすごいものは持っていなくても、ものすごい精神的なエネルギーと目的のためには命も惜しまぬ、並外れた執念を持っている。それがすごく格好いいのである。





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ロリータ・コンプレックス

2009-08-09 01:02:59 | Weblog
ある所の壁でテニスの壁打ちをしていたら、小学生くらいの子供の集団がランニングしていた。子供が前を通る時、一時、壁打ちを中止しなくてはならない。ある時、一人の子供が走ってきたので、壁打ちを中止した。何気なく見ると、メガネをかけた、ものすごく可愛い女の子だった。私は思わず目をみはってしまった。そのため、少女は私が壁打ちを邪魔されてじれったいと思っていると、思ったのだろう。笑顔でペコリと頭を下げた。「うっ。可愛いっ」彼女が去って、私はまた壁打ちを始めた。建物の周りを走っているので、また彼女がやってきた。ううっ。可愛いっ。汗がすがすがしい。素直そう。「素直そう」と言っといて、そう言う手前は素直なのか、と言われれば、今は素直なのかどうなのか、わからない。少なくとも子供の頃は素直だったような気もするが、子供の頃からひねたガキだったような気もする。しかし長上を敬し、大人にたてついた事はない。ひ弱だったから。先生のような監視役の人もいる。何なのだろう。単なる運動の授業か、バスケットかバレーボールの体力づくりのロードワークか。スカートが短い。うっ。かわいい。激しい苦悩が私に襲いかかった。私は急いで近くのコンビニに行って、チョコレートとメモ帳を買った。
私は早鐘を打つ心臓を押さえて彼女が来るのを待った。彼女がやってきた。私は急いで彼女に駆け寄った。「あ、あの・・・」「はい。何でしょうか?」「サインして下さい」「はい。いいですよ」少女はニコッと笑ってサインした。斉藤久美と書いてある。「久美さんですね。素敵な人とめぐり合って幸せになって下さい」私はそう言うと一目散に駆け出した。こうして僕の初恋はおわった。
というのはウソで、私が苦悩して、うがー、と唸りながら地面を転げまわっていたら、少女がやってきて私に声をかけたのである。「おにいさん。どうしたんですか。救急車よびましょうか」「い、いや。いいんだ。僕は持病で、時々、痙攣発作が起こるんだ」「どういう病気ですか」「突発性ロリコン発作症候群という奇病なんだ」「何か私に出来ることがありますか」「濡れたタオルで頭を冷やしてくれると助かる」「じゃあ、すぐ持ってきます」そう言って少女はすぐに駆け出した。少女はすぐに濡れたタオルを持ってきた。「はい。おにいさん」そう言って少女は私にタオルをわたしてくれた。私は額にタオルをのせた。「どうですか」「ありがとう。楽になったよ」「そうですか。それはよかったですね」少女はニコッと笑った。「あ、あの・・・」「何ですか」「お嬢ちゃんがいなくなると、また発作が起こりそうな気がするんだ」「じゃあ、しばらく私がついてます」「ありがとう。助かるよ」その時、地球が爆発した。
というのもウソで、少女が三回目に回ってきた時、少女はハアハア息を切らしていたのである。少女は足がガクガクでついに座り込んでしまった。のである。

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