小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

携帯電話の電波とペースメーカー

2015-10-19 20:42:07 | 考察文
武田邦彦先生をもちだすまでもなく、前から、おかしい、と思っていたことがある。

私は、前から、「携帯電話の電波は心臓ペースメーカーに悪影響を与えますから、車内では、マナーモードにして下さい」というアナウンスは、おかしいと思っていた。(最近は、言わなくなった)

こんなこと、ちょっと、考えれば、おかしいことが、すぐに、わかるはずである。

その理由を箇条書きすれば。

埋め込みの、人工ペースメーカーなんて、している人は、心筋梗塞で、悪性の不整脈の患者にだけ、入っている物であって、その頻度は、一万人に一人程度である。だから、電車に乗っている人で、人工ペースメーカーをしている人がいる確率は、極めて低い。

人工ペースメーカーは、「している」、か、「してない」か、の、オール・オア・ナッシングであり、車内に、してる人が、いなければ、携帯電話を使っても、全く問題ない。ということになる。

なら、電車に乗ったら、「この中に、人工ペースメーカーしている人はいますか?」と聞いて、いなければ、使えばいいだけである。

そもそも、人工ペースメーカーしている人の頻度は、極めて少ないのだから、人工ペースメーカーしている人に、「私は人工ペースメーカーしています」と書かれた、タスキ、か、帽子、か、腕章を、つけてもらうように、決めれば、それでいいじゃないか。そういう人が、いなければ、堂々と、携帯電話を使っても安全ではないか。

それに、携帯電話の電波が人工ペースメーカーに悪影響を与えるなら、車内だけじゃなく、プラットホームでも、公園でも、静かな所でも、要するに、この世の、全ての場所で、そういう、アナウンスをすべき、ということになる。なんで、車内だけで、そういうアナウンスをするのか?

それに、人工ペースメーカーをしている人は、高齢者で、心筋梗塞を起こして、悪性の不整脈になった人だから、そういう人は、子供や孫とも、一緒に暮らしているから、子供や孫は、おじいちゃん(おばあちゃん)の前では、携帯電話を使ってはいけない、とも、政府は、呼びかけなければ、おかしい。

そもそも、携帯電話(今は、スマートフォン)は、今では、生活必需品になっているのだから、まず最初に、人工ペースメーカーをしている人には、スマートフォンを使ってはならない、とも、政府は、呼びかけなくてはならない。

しかし、そんなことは、なされていない。

それに、スマートフォンは、ほとんど、全国民が持っていて、いつも、使っているから、その電波で、人工ペースメーカーが、狂い出すのなら、そんな危険な、医療器具を、厚生省が、許可するはずが、ないじゃないか。

そもそも、研究機関は、携帯電話の電波が、人工ペースメーカーに悪影響を与える、という、実験をちゃんとして、その危険が立証されたのか?

おそらく、現実的でない、何百(何千)台もの、強力な電波を、人工ペースメーカーの前で、強引に、流して、百万回に一回、やっと、ほんのちょっとだけ、とるに足らぬ、ささいな、関与が出た、ということを、小躍りして、喜んで、針小棒大に、携帯電話を使うと、人工ペースメーカーが狂い出して、人が死ぬ、と、おどかしているだけである。

あるいは、実験など、しなくていい。というか、むしろ実験しない方がいい。
「携帯電話の電波が、人工ペースメーカーに、全く、いかなる影響をもあたえない」
ということが、厳密な科学的な、実験によって、証明されるまでは、その仮説は、科学的に立証されていない、つまり、否定できない、ということになる。

この論理でいくと。
「リンゴを食べてから、車を運転すると、事故を起こしやすい」
という仮説も、否定できない。ということになる。そんなバカな。と、いうだろうけど。事実である。科学的に立証されていない仮説は、立証されるまで、否定できない、し、してもならない、のは、科学では、当然のことである。


つまり、全て、ウソ、詭弁、言葉の遊び、乱用、である。

単に、車内での、スマートフォンの、マナーを守らせるための手段として、科学的根拠も無いのに、科学や、医学を、もちだして、使うと人命に関わると、おどしている、だけである。

全て、国の、イメージ操作であり、国民も、その、イメージ操作に、簡単に、洗脳されている。

自分で、ものを、考えようとしないからだ。

最近、「携帯電話の電波は心臓ペースメーカーに悪影響を与えますから、車内では、マナーモードにして下さい」というアナウンスが、なくなったのは、あまりにも、バカげているからであり、また、大学生の就職活動は、100社も、回らなければ、ならないほど、大変だから、会社から、連絡があった場合、すぐに、出ないと、テキパキしていない、人間と見なされ、内定を断られかねない、とまでは、言わないが、会社としては、すぐに出て欲しい気持ちは、やはりあるから、また、すぐに出る学生を律儀だと思うから。

まあ、そんな理由で、最近は、「携帯電話の電波は心臓ペースメーカーに悪影響を与えますから、車内では、マナーモードにして下さい」というアナウンスがなくなった。のだろう。

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武田邦彦先生

2015-10-19 02:55:23 | 考察文
武田邦彦先生が、初めて、たかじんのそこまで言って委員会、に出た時、パネリストの文科系のヤツラは、バカだなーと、つくづくつ、あきれた。

もっとも、武田邦彦先生のように、あらゆることに、知的好奇心を持っている、幅広い、科学者は、極めて少ない。

理系の、(医学部などは、特に)大学教授は、自分の専門領域だけにしか、興味をもっていない。

しかも、本当に、知的好奇心のある、大学教授は、極めて少ないのである。

ほとんどは、十年一日の、同じ事の繰り返しだけの、専門バカなのである。

かく言う私は、ペットボトルは、生ゴミに、結構、捨てていた。

それは、科学的信念からではなく、分別するのが、面倒くさいからで、また、ペットボトルくらい、燃したって、有毒ガスなんて、出ないだろう、という、漠然とした考えからである。

「燃せば燃える。燃さねば燃えぬ。何物も。燃えぬは、人の燃さぬなりけり」

そもそも、医学部では、公衆衛生学を教えるので、水道水には、色々な、毒物が含まれていることは、知っていた。もちろん、人体に悪影響が出ない範囲であること、が必要なのである。

それに、微量で、人体に有毒な物質をつくるのは、極めて難しいのである。オウムのサリンにせよ、そうだし。

第一次世界大戦で、毒ガスをつくったのは、窒素と水素から、アンモニアをつくる、ハーバー・ボッシュ法(高校の化学)の、フリッツ・ハーバーであり、塩素ガスを毒ガスとして、発明した。

ペットボトルは、ガスバーナーなど、高熱で焼けば、焼けるが、人体に毒性の強い物質なんて、出ないだろうと、漠然と考えていた。

もし、毒性の強い物質が出るんなら、それは、どういう物質か、発表しているはずだ、と、思っていた。

また、細菌学では、アイスクリームや、肉など、に、ついている、細菌を調べる実習もあったが、あれを知ったら、多くの人は、アイスクリームが、食べられなくなるんではないか、とも思った。

寄生虫学の教授も、ステーキは、ケシズミのように黒焦げに焼いた、ウェルダムでしか、食べない、と言っていた。焼かないと、牛肉には、中間宿主として、無鉤条虫がいる可能性があるからだ。

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