小説家、反ワク医師、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、反ワク医師、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

「自堕落な生活で人工透析やってる連中なんか全員殺せ」 長谷川豊ブログ・発言が物議

2016-09-23 02:22:15 | Weblog
「自堕落な生活で人工透析やってる連中なんか全員殺せ」 長谷川豊ブログ・発言が物議。

「元フジテレビアナウンサーの長谷川豊さんのブログ記事が「炎上」している。きっかけは2016年9月19日に公開した、人工透析患者にまつわる記事だ。長谷川さんによると、人工透析患者のほとんどは「自業自得」の生活習慣が発病の原因なのだという。」

(J-CASTニュース 9月21日(水)19時43分配信)

無知ほど、こわいものはない。

まあ、彼は、医学のド素人だから、仕方ないが。

察するに、ツラの印刷が多少、いいのか、口が達者で、アナウンサーになれたのだと推測する。頭はカラッポでも。

Wikipedia を、ちょっと、見てみたが、これだけで、もう、氏が白痴と、わかる。

医学部二年の時、放射線生物学の教授は、「医者の無知は罪なんだ」と言った。当然のことである。

僕の出身校の、奈良県立医科大学の、第一内科は、心臓、腎臓、が専門であるが、教授は、学究肌で、腎臓が専門だったが、授業で、「治る腎炎、治らない腎炎、永遠の命題」、と言った。

2型糖尿病には、遺伝的素因がある、ということを、知らないのだろうか?

さらに、精神病院では、食事は、カロリーコントロールされていて、暴飲暴食できず、メジャーの薬を飲み続けていても、長生きしている人が多いが、糖尿病を発症している人もいるのだ。

昔の、呼び名の、「成人病」、の名前が、変わって、「生活習慣病」、となったから、といって、運動し、食事も、カロリーコントロールすれば、「生活習慣病」、は、すべて、未然に、ふせげる、と思っているのだろうか?

その逆に、運動など、全くせず、食事は、好きなだけ食べて、でっぷり、腹が出ている人でも、コレステロールや、中性脂肪、血糖値や、HbA1c、の値は、正常範囲で、高血圧も、動脈硬化も、起こさず、長生きしている人もいるのだ。(というより、日本人の、8割くらいは、そういう人である)

「生活習慣病」、と、呼び名を、変えたことで、かえって、医学の、ド素人に、偏見を、もたらしている面があると、知った。

まあ、一週間以内に、彼は、「私が間違っていました。申し訳ありませんでした」、と号泣して謝るだろう。私はそれを予言する。

私も、人工透析の仕事は、10回、くらいやった。

まがりなりにも、医者として、仕事をするのだから、私は、三万円くらい、出して、腎不全や、人工透析の本を、13冊ほど、買って、勉強した。

私は医学は嫌いだが、理屈がわかると、嫌いな医学も、結構、面白いものである。

ちょっと、私が、人工透析の勉強のため、ワープロで、まとめたものがあるので、それを、コピペしておこう。





不均衡症候群。腎性貧血。MIA症候群。CKD-MBD。異所性石灰化。透析アミイドーシス。心不全。動脈硬化。高血圧。透析中に低血圧。便秘。感染症。末梢動脈疾患。足のつり。かゆみ。

リン吸着薬。カリウム抑制薬。降圧薬。昇圧薬。インスリン製剤。経口血糖降下薬。下剤。抗凝固薬。活性型ビタミンD3。赤血球造血刺激因子(ESA)。透析中の投与薬。
○検査
血圧異常。胸部レントゲン。クレアチニン。BUN。総蛋白・アルブミン。ナトリウム・クロール。ヘモグロビン・ヘマトクリット。トランスフェリン飽和度(TSAT)・血清フェリチン濃度。エリスロポエチン濃度。ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド(hANP)・脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)。標準化透析量(Kt/V)。

尿が出ない。老廃物が溜まる。水が溜まる。食塩の過剰摂取で体重増加。ぼーとする。眠れない。咽喉が渇く。除脈・心停止。Kが溜まる。Pが溜まる。低栄養になる。貧血。骨がもろくなる。血液が酸性になる。血圧が上がる。透析中の血圧低下。体がかゆい。便秘。下肢がつる。血管がつまる(動脈硬化)。シャント異常。目の病気になる。アミロイド沈着。ガンになる。心臓が弱くなる。足の病気(末梢動脈疾患)。感染症。頭痛。脳梗塞。末梢神経障害。

不均衡症候群。・・・・・脳圧亢進。脳浮腫。
腎性貧血。・・・・・・・Epo↓。ESA投与。
MIA症候群。・・・・・透析で炎症性サイトカイン産生。栄養障害。炎症。動脈硬化
CKD-MBD。・・・・ミネラル・骨。Pたまる。VtD活性化されない。Ca吸収されない。
           PTH↑。骨からCa失う。骨もろく。二次性副甲状腺機能亢進症
異所性石灰化。・・・・・P、Caが血管・関節・皮膚に沈着
透析アミロイドーシス。・・β2ミクログロブリンが、アミロイドに変化し手根菅症候群
心不全。・・・・・・・・体に水がたまる。貧血。
動脈硬化。・・・・・・・高血圧。(高脂血症)。糖尿病
高血圧。・・・・・・・・体に水がたまる
透析中に低血圧。・・・・血管へ水分の移動(プラズマフィリング)不良による
便秘。・・・・・・・・・水分制限による
感染症。・・・・・・・・尿毒症物質ちくせき。タンパク↓。DM。リンパ球の機能低下
末梢動脈疾患。・・・・・P、Caの異所性石灰化。ASO(閉塞性動脈硬化症)しびれ。冷感
足のつり。・・・・・・・除水により筋肉中の血流低下。血圧低下
かゆみ。・・・・・・・・皮膚の乾燥。二次性副甲状腺↑。ヒスタミンの産生過剰

尿が出ない。・・・・・・・・
老廃物が溜まる。・・・・・・
水が溜まる。・・・・・・・・
食塩の過剰摂取で体重増加。・
ぼーとする。・・・・・・・・
眠れない。・・・・・・・・・
咽喉が渇く。・・・・・・・・
除脈・心停止。・・・・・・・
Kが溜まる。・・・・・・・・
Pが溜まる。・・・・・・・・
低栄養になる。・・・・・・・
貧血。・・・・・・・・・・・
骨がもろくなる。・・・・・・
血液が酸性になる。・・・・・
血圧が上がる。・・・・・・・
透析中の血圧低下。・・・・・
体がかゆい。・・・・・・・・
便秘。・・・・・・・・・・・
下肢がつる。・・・・・・・・
血管がつまる(動脈硬化)。・・
シャント異常。・・・・・・・・
目の病気になる。・・・・・・・
アミロイドの沈着。・・・・・・
ガンになる。・・・・・・・・・
心臓が弱くなる。・・・・・・・
足の病気(末梢動脈疾患)。・・・
感染症。・・・・・・・・・・・
頭痛。・・・・・・・・・・・・
脳梗塞。・・・・・・・・・・・
末梢神経障害。・・・・・・・・



リン吸着薬。・・・・・・・・・消化管で食べ物のPを吸着して便にして出す
カリウム抑制薬。・・・・・・・腸管でCaかNaとKを交換して便に出す
降圧薬。・・・・・・・・・・・アンジオⅡ受、拮抗。アンジオ変換阻害。Ca拮抗
昇圧薬。・・・・・・・・・・・リズミック(ノルアド↑)
インスリン製剤。・・・・・・・超速効。速効。中間。持効
経口血糖降下薬。・・・・・・・インス抵抗改善系。インス分泌促進系
下剤。・・・・・・・・・・・・刺激性。塩類
抗凝固薬。・・・・・・・・・・静脈(○ヘパリン)。経口(ワーファリン)
活性型ビタミンD3。・・・・・VtD(食事。UVで皮膚)→活性VtD。腸からCa吸収
赤血球造血刺激因子(ESA)。・骨髄刺激。エポエチンα、β。
透析中の投与薬。・・・・・・・抗凝固薬。アルブミン製剤。ESA。活性VtD3

血圧異常。・・・・HT↑は体液、多い。動脈硬化。レニン分泌↑。HT↓は、貧血。脱水
胸部X。・・・・・心拡大。胸水
クレアチニン。・・クレアチン→運動→クレアチニン=筋肉量
BUN。・・・アンモニア→BUN。BUN↑はタンパク質、食べ過ぎ。透析不足。肝不全
総蛋白・アルブミン。・・・↓は食事不足。透析不足
Na・Cl。・・・・・口渇→飲水。透析前、Na・Cl↓ほど危険
Hb・Ht。・・・Hb↓は貧血
トランスフェリン飽和度(TSAT)と血清フェリチン濃度。・・・・・TSAT↓、フェリチン↓は鉄欠乏
エリスロポエチン濃度。・・・・・貧血。ESA投与の目安
ヒト心房性Na利尿ペプチド(hANP)と脳性Na利尿ペプチド(BNP)。・・・hANPは体液量。BNPは心不全の重症度
標準化透析量(Kt/V)。・・・・・尿素など小分子老廃物の除去の度合い


これは、人工透析の教科書の、一番、大事だと思う要点をまとめたもの。

実際、カルテを見ても、また、患者に問診しても、この通りなのである。

医学の教科書と、実際の医療は、違うことが、多いが、人工透析に限っていえば、きれいに、教科書通りなのである。

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