小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

阿部公房

2015-01-06 20:35:51 | Weblog
阿部公房は、小説は意味に至る前の、ある実体、と言っているが、それは、何も安部公房の小説だけに限ったことではない。全ての小説は、意味に至る前の、ある実体である。確かに、芥川や菊池寛の小説には、明確なテーマがあるものもあるが、それなら、そのテーマを、一行で、書いてしまえば、それで済むことである。あるいは、テーマと、それを説明する論理で、得々と読者に説明する評論文にすればいい。それはそれでいい。人間の生活は99%、は面白くないドラマであり、小説とは、面白いように、作り上げた、人間のドラマ、である。芥川や菊池寛のテーマ小説も、面白いように、作り上げた、人間のドラマであることには変わりない。
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