京子は真面目な顔で二人を目をそらすことなく直視しているので森田と川田の二人はこれは何かあるなと思い京子の所に戻ってきて京子の前に座った。
「何だよ。京子。重要な話って?」
森田が聞いた。
「森田くん。川田くん。あなた達を採用しておいて散々いじめてしまってゴメンね」
「何だ。そんなことか。別に気にしてないぜ。オレ達が日商簿記一級の資格を持っているなんてウソついたんだから叱られても自業自得だよ。しかし優しいと噂されているあんたがあんなに怖い女に豹変するのは意外だったけどな」
二人の発言を聞いた後、京子は落ち着いた口調で話し出した。
「実はね。あなた達が日商簿記一級の資格を持っていないことは知っていたの。大学卒でないことも」
「どういうことだ。京子?」
「じゃあどうしてオレ達を採用したんだ?」
二人は京子の発言に驚いて急に真顔になった。
ウソをつく京子ではない。
「じゃあその理由を話すわ」
「おい。川田。京子さんの左膝の吊りを解いてやれ」
「ああ」
二人の京子に対する態度が一気に変わった。
日商簿記一級の資格や大卒かなどかは証明書を提示するよう言えばすぐにわかることである。なぜ京子がそれらの提示を求めなかったのかは二人にはわからなかった。それは京子が人を疑わない性格だからなのだろうと漠然と思っていた。しかしそんなことはちょっと調べればすぐわかることである。
川田は急いで京子の膝を吊っている縄を解いた。
そのおかげで京子は片足吊りの責めから解放されて左足を床にもどすことが出来た。
「実はね。あなた達のことはあなた達が面接に来た後にアーウィン女性探偵社に頼んで調査してもらって知っていたの。金庫の中にあなた達の素性報告書があるから金庫を開ければわかるわ」
「じゃあどうしてオレ達が日商簿記一級の資格も持っていないことを知りながらオレ達を採用しておいてだまされたと言ってオレ達を奴隷のように扱ったんだ?」
「あなた達はアルバイトでAV男優も1年くらいやっているでしょ。あなた達が出演したアダルトビデオも私は見たわ」
「へー。そんなことまで知っていたのか。じゃあ税理士の仕事の戦力にならないとわかっていて何でオレ達を採用したんだ?」
「あなた達には前科はないでしょ。私、あなた達の出演したアダルトビデオを見たわ。全部SМ物ばっかりね」
「よく知っているな。確かにオレ達はAV男優のアルバイトを1年間やったぜ。全部SМ物ばかりだ。オレ達にはSМ趣味があるんだ」
「アーウィン女性探偵社の人達が綿密に調査してくれたわ。AV男優は演技することを監督から徹底的に教育されているから紳士が多いという事も聞かされたわ。実際あなた達は私に対する復讐で私を徹底的に辱めたけれどあなた達は私を辱めても犯しもしないし指一本触れなかったでしょ」
「い、いや。あんたを触って弄んだり犯したりしたら、あんたがオレ達を訴えた時罪が重くなるからだよ」
「ふふふ。謙遜しているけど本当はあなた達は優しい性格だわ。私はあなた達を奴隷のように虐めたけれどあんなことされたら私に復讐しようと思うのは当然だわ」
「じゃあ何で日商簿記一級も持っていないと知っていながらオレ達を採用しオレ達を虐め抜いたんだ?訳が分からないな」
二人は狐につつまれたような顔つきになった。
「じゃあ本当のことを言うわ。実は私マゾなの。これは子供の頃からの先天的な性格なの。大人になって私もSМの出会い系サイトで何人かの男と会ってみたけれどみんなセックスが目的だったわ。みんなSМとセックスをごちゃ混ぜにしていて。羞恥責めしてくれるいいSМパートナーは見つからなったわ。そこで私はあなた達が私のスタッフ募集に応募してきた後あなた達の素性をアーウィン女性探偵社に調査してもらったの。そしてあなた達がSМが好きな性格でAV男優も1年間経験していることを知ったわ。それであなた達なら理想のSМパートナーとなれると思ったの。それであなた達を採用して徹底的に虐め抜いて私に復讐するように仕向けたの。私はおびえるフリの演技をしていたけれど最高のマゾの快感を味わっていたわ」
「本当かなー?」
「ウソだと思うのならダイヤルロック式の金庫を開けて御覧なさい。開錠番号は5991よ」
森田と川田の二人は急いでダイヤルロック式の金庫の所に行き5991と合わせた。
すると金庫が開いた。
中にはパソコンと札束が入っていた。
「パソコンを開いてみなさい。その中に(私の写真)というフォルダがあるでしょ。それを開けてご覧なさい」
言われて二人はパソコンを開いた。
デスクトップにいくつものフォルダがあった。
その中に「私の写真」というフォルダがあった。
それらを開くと京子の亀甲縛りや股縄をした写真やビキニ姿の写真やオナニーしている画像や動画がたくさん出てきた。
森田と川田の二人はそれらをザーと見た。
「本当だ。信じられないけれど本当だ」
森田が目を疑って言った。
「私がオナニーしている姿を自撮りしてエッチ動画投稿サイトに投稿したのもかなりあるわよ。ワード文章があるでしょ。いくつものURLアドレスがあるでしょ。そのサイトを見てみなさい」
森田は京子に言われたようにそれらのURLアドレスのサイトを見てみた。
すると。
豆絞りの手拭いで口と下顎を隠した女が全裸で自分の胸やアソコを揉んで、あはん、あっは~ん、と悶えているいやらしい動画が出てきた。
森田はそれらの動画を急いでザーと見た。
「私もさすがに世間にこのことが知られるのはこわかったわ。だから豆絞りの手拭いをして顔を隠したの。でも右胸の上の方に小さなホクロがあるでしょ。だからそれが私だってことが本当だってことが確信できるでしょ」
京子が言った。
「本当だ。確かに右胸の上の方に小さなホクロがあるよ。それに口と下顎は見えないけれど目や鼻や顔の輪郭は明らかに京子さんだ。体つきも京子さんと同じだ」
森田と川田の二人は驚いた。
「じゃあ私があなた達のために書いておいた文章があるからそれを読んでご覧なさい」
パソコンのデスクトップには「森田くんと川田くんへ」というタイトルのワード文章があった。
彼らはそれを開けて急いで読んだ。
それにはこう書かれてあった。
「森田くん。川田くん。あなた達のことはアーウィン女性探偵社に調査してもらって知っているわ。大卒でないことも日商簿記一級の資格をもっていないことも。私はだまされたと言って大人しい性格が豹変してあなた達を奴隷のように扱うわ。そして給料も支払わず解雇するわ。あなた達はきっと怒って私に復讐すると思うの。あなた達はAV男優も経験があるでしょ。だからあなた達はきっと私に羞恥責めのSМプレイをすると思うわ。私はこわがってあなた達に許しを求めるわ。でもそれは演技よ。あなた達は私にとって理想のSМパートナーになってくれると思って採用したの。お給料は約束した倍払います。どうぞ受けとって下さい。これからも私をうんと虐めてね」
と書かれてあった。
金庫の中には札束があった。
二人はそれを手にして枚数を数えてみた。
確かに約束した給料の倍の額があった。
ここに至って森田と川田の二人は完全に京子の言うことを信じた。
「やられた。参りました。京子さん。僕たちは完全にあなたの計画にはまっていたのですね。やっぱり京子さんは頭がいい。僕たちにはあなたがとったいくつもの不可解な行動を疑う能力もありませんでした。僕たちの完敗です」
そう言って森田と川田の二人は京子の前で土下座して謝った。
「ふふふ。いいのよ。だって私は理想のSМパートナーが見つかって長年のマゾの欲求がかなえられたんだから。私の方がお礼を言わなきゃいけないわ。有難う」
京子が言った。
森田と川田の二人は完全な敗北に打ちのめされていた。
「おい。京子さんの亀甲縛りを解け。そして手錠も外して自由にするんだ」
森田が川田に言った。
「あ、ああ。そうだな」
川田は京子の亀甲縛りを解いた。
これで京子は全裸で手を吊るされているだけになった。
「おい。川田。京子さんの手錠も外せ」
森田が川田に命じた。
「ああ」
川田は京子の頭の上の手錠を外そうとした。
その時。
「川田くん。ちょっと待って。私の机の一番下の引き出しの中に私の下着があるからそれを持ってきて」
と京子が言った。
「はい」
川田は京子のデスクの引き出しの一番下を開けた。
するとたくさんの書類の下に袋があった。
開けるとブラジャーとパンティーが入っていた。
川田はそれを持って京子の所に戻ってきた。
二人は何をしたらいいのかわからず困惑している。
「森田くん。川田くん。私に下着を私に履かせて」
京子が笑顔で頼んだ。
「は、はい」
二人はかしこまって言った。
「で、では失礼します」
と言って森田はパンティーを京子の足に通しスルスルと腰まで引き上げた。
川田は京子の胸にブラジャーを着けた。
「も、もしかして京子さんはこういうことになることを予想して下着を引き出しの中に置いておいたのですか?」
森田がおそるおそる聞いた。
「まあいいじゃない。そんなことどうだって。それより私の下着姿も写真に撮って」
京子は微笑みながら言った。
「わわかりました」
森田と川田の二人はパシャパシャと下着姿で吊るされている京子をスマートフォンで撮影した。パンティーは普通のフルバックでブラジャーは肩紐のある普通のブラジャーだった。
清楚な純白の下着姿はまばゆいほど美しかった。
パンティーのアソコはモッコリと盛り上がっている。
「最高に嬉しいわ。最初にも下着姿を撮られたけれど私は手錠されて吊られていなかったでしょ。だからこうして手錠されて吊られている下着姿も撮影して欲しかったの。股縄や亀甲縛りは自分で出来て私もその写真は自撮りして自分を慰めていたけれど自分で自分の手を縛ることは出来ないでしょ。だからこうして拘束されていると夢かなったりなの。私の下着姿をとっくり見て」
京子は晴れやかな口調で言った。
パシャパシャとスマートフォンで撮影しながら下着姿の京子を見ているうちに森田と川田の二人はまたハアハアと興奮し出した。
「あ、あの。京子さん。ちょっとイタズラしてもいいですか?」
森田が聞いた。
「いいわよ。何をしても」
京子は平然と答えた。
「じゃあちょっと失礼します」
そう言って森田は京子のパンティーを膝の上まで降ろしブラジャーは着けたままペロリとめくり上げた。
アソコとおっぱいが丸見えになった。
手が使えないので京子はパンティーを引き上げることも出来ずブラジャーを元の位置に戻すことも出来ない。
それはあたかもいやらしい男に吊るされてパンティーとブラジャーを脱がされかかっている女のようだった。
「ああっ。恥ずかしいわ。みじめだわ。でも私こういうみじめな格好にもされたいと思っていたの。ああ。マゾの快感が最高だわ」
京子にはもうためらいの気持ちはなくなっていた。
ただひたすら被虐の快感を求め尽くしたい気持ちになっていた。
森田と川田の二人はハアハアと興奮しながらズボンの上からテントを張った股間をさすりながらパシャパシャと京子の恥ずかしい姿をスマートフォンで撮った。
二人は10枚くらい色々な角度から京子をスマートフォンで撮った。
「京子さん。有難う。もう十分撮りました」
そう言って森田は膝の上まで降ろされていた京子のパンティーを腰まで引き上げた。
そしてめくり上げたブラジャーを元にもどして二つのおっぱいをブラジャーの中に入れた。
「京子さん。もう手錠を外してもいいでしょうか?」
森田は恭しく京子に聞いた。
「ええ。お願い。手錠を解いて」
言われて森田は京子の手錠に結びつけられている縄を解いた。
京子を天井に吊っていた縄が解かれて京子はペタンと床に座り込んだ。
森田は手錠も外した。
これで京子の拘束は全部なくなって完全に自由になった。
京子はブラジャーとパンティーだけという姿である。
「森田くん。川田くん。服を着たいの。ちょっと後ろを向いてくれない」
京子が言った。
はい、と言って二人はクルリと体の向きを変え京子に背を向けた。
女にとっては服を着るのを見られるのも恥ずかしいものなのである。
京子は立ち上がって床に落ちているワイシャツと上下揃いのスーツを拾った。
京子はスカートを足にくぐらせて腰まで引き上げてホックで留めた。そしてワイシャツを着てその上にスーツを着た。
「ありがとう。森田くん。川田くん。もういいわよ」
京子が言った。
言われて二人はクルリと体の向きをもどし京子を見た。
うっと二人は声をもらした。
そこにはいつもの憧れのエリート税理士の颯爽たるスーツ姿の京子がいたからである。
森田は冷蔵庫から麦茶とコップを持って来た。
「京子さん。長い間立ち続けて疲れたでしょう」
そう言って森田は麦茶をコップに入れて京子に差し出した。
「ありがとう。森田くん」
京子は礼を言ってコップを受けとり麦茶をゴクゴク飲んだ。三杯飲んだ。
森田と川田の二人はきまりが悪かった。
それを京子は十分に察していた。
「森田くん。川田くん。ソファーに座って」
京子は笑顔で言った。
「はい」
二人は素直に返事してソファーに並んで座った。
「二人のためにカレーライスを作っておいたの。食べていって」
そう言って京子は小走りにキッチンに行った。
そして炊飯器や大きな鍋などを持って戻ってきた。
京子はテーブルの上に大きな皿を二つ置いた。
そして炊飯器を開けて二つの皿にホカホカのご飯を入れた。
そしてご飯の上に温めたカレーをたっぷりとかけた。
「さあ。二人とも疲れたでしょう。食べて」
京子は笑顔で言った。
二人に瞬時に食欲の唾がどっと出てきた。
しかもそれが憧れの京子さんが作ってくれたものだと思うと食欲はなおさら増した。
「京子さん。ありがとう。頂きます」
そう言って二人はスプーンでガツガツとカレーライスを食べた。
それを京子は嬉しそうに見ていた。
食べ終わると二人は京子がテーブルの上に置いてくれた氷の入った冷たい水をゴクゴクと飲んだ。
「あー。美味しかった。どうもありがとう。京子さん」
「いえ。どういたしまして」
京子は自分は食べずに二人が食べるのを嬉しそうに見ていただけだった。
「京子さん。これから僕たちどうなるんですか?」
森田が聞いた。
「今まで通り働いてくれない。お給料もちゃんと払うから」
京子がニコッと微笑みながら言った。
「そう言ってもらえると嬉しいです。だって京子さんは素晴らしい人なんですから。僕、京子さんを好きになってしまいました」
森田が言った。
「僕も京子さんを好きになってしまいました」
川田が言った。
「私もあなた達が好きだわ」
京子は笑顔で言った。
「でも一つ心配なことがあるわ」
「何ですか。それは?」
「私一度プレイじゃなくて本気で虐められたかったの。今日はその夢がかなって嬉しかったわ。でもタネあかしをしちゃった後では本気の意地悪は出来にくくなるわ。それが残念だわ」
「そうですね。確かに僕たち、もう本気で京子さんを虐める気にはなれないような気がします」
「でも大丈夫よ。今は確かにあなた達落ち込んでいるかもしれないけれど。時間が経てばやがてまた私を本気で虐めたくなる気になると思うわ」
京子が言った。
「僕も何だかそんな気がします」
森田が言った。
「それと。一つお願いがあるの」
「何でしょうか。京子さん」
「これからもあなた達に働いてもらうけれど依頼者が来た時には今まで通り依頼者の前であなた達を罵倒して虐め抜いてもいい?」
「ええ。構いません。でもどうしてですか?」
「私があなた達を徹底的に虐め抜くことによって私に対する憎しみ、復讐心、私に仕返ししてやろうという加虐心をあなた達に起こさせるためよ」
「なるぼど。それを想像するとまた本気で京子さんを虐めたいという気持ちが起こるような気がします。遠慮なく僕たちを虐めて下さい。素晴らしい憧れの京子さんになら虐められるのが楽しみです。美しくて優しい京子さんに虐めてもらえると思うともうマゾの快感が起こり出しました」
「ありがとう。嬉しいわ。じゃあ月曜から金曜までは今まで通りに働いてくれない。私は今までのようにあなた達を奴隷のように扱う姿を依頼者に見せつけるわ。それで休みの土曜日にあなた達がその復讐として私を虐め抜くの。どう?」
「いいですね。それを想像するともうムラムラしてきます」
もう夜の11時だった。
「では今日はもう遅いので僕たちは今日は帰ります」
そう言って森田と川田の二人は立ち上がった。
「また私を虐めてね。今日は羞恥責めだったけれど今度は私が悲鳴を上げて泣き叫ぶまで虐めてね」
「そう言われると何だかムラムラしてきます」
そう言って森田と川田の二人は去って行った。
・・・・・・・・・・・・・
月曜日になった。
佐藤税理士事務所では佐藤京子とスタッフとして森田と川田の二人が今まで通りの様子で働いていた。
その様子は以前と変わらずこんな風である。
佐藤京子に税務処理を頼む客が来ると佐藤京子はテーブルを挟んで客の依頼を詳しく聞き丁寧にアドバイスした。
依頼客と佐藤京子は実に和気あいあいとした会話だった。
二人の男はその横で床を雑巾がけしていた。
それは佐藤京子の命令だった。
依頼客が疑問に思って佐藤京子に、
「この二人はどういう方なのですか?」
と聞くと佐藤京子は、
「いやー。こいつらは大卒でないのに大卒と偽って簿記について何も知らないのに日商簿記1級の資格を持っていますなどと言って面接に来たので採用してしまったんです。クビにしようかとも思いましたがこいつらの腐った根性を叩き直すためにクビにはしないでやっているんですよ」
と佐藤京子は言った。
「そうだったんですか」
「ええ。そうです。世の中にはこういうとんでもない詐欺師、悪い人間がいますから人を安易に信用しないで下さいね」
「まあ。本当ですか。こわいですね。人間って信用できないんですね。私もこれから人を採用する時には履歴書を信用しないで興信所に調査してもらって履歴書に書いてあることが本当かどうか確かめてから決めようと思います」
「ええ。ぜひそうした方がいいですよ」
おーい、ろくでなしのブタ野郎二人お茶を持ってくるくらいの気はきかせろと佐藤京子は二人を怒鳴りつけた。
「す、すみません」
と言って二人は急いでお茶を持ってきた。
二人がお茶をテーブルの上に乗せると、
「おい。ブタ野郎。どうぞくらいの言葉を言うのが礼儀だろ」
と佐藤京子は二人をののしった。
依頼者は予想と違って佐藤京子の厳しさに驚いて目を白黒させたが他人のことに干渉することも出来にくいので黙っていた。
その後も佐藤京子と依頼者は色々なことを雑談した。
「では今日はこれで帰ります。これからよろしくお願い致します」
と言って玄関に向かった。
二人はボサッとしている。
「おい。ブタ野郎二匹。大切なお客さまだぞ。玄関を開けて(今日は遠い所ご足労いただきまして有難うございました。気をつけてお帰り下さい)くらいのこと言うのが礼儀だろ」
と言って男二人を蹴飛ばした。
二人は京子に言われて焦って玄関の戸を開けた。
依頼者が来ると万事がこの調子だった。
・・・・・・・・・・・・・・
その週の土曜日の様子。
京子は丸裸にされて縄で手首を縛られて天井に吊られていた。
それでも女の羞恥心の本能から太腿をピッチリと寄り合わせてアソコを隠そうとしていた。
羞恥心とこれから何をされるのかわからない恐怖心から体がプルプルと小刻みに震えていた。
その姿はいじらしかった。
森田と川田はソファーに座ってワインを飲みながらその姿をニヤニヤと笑いながら眺めていた。
「それじゃあ始めるとするか」
そう言って二人は立ち上がった。
二人の手には黒い高級水牛革の丈夫な一本鞭が握られている。
「よし。始めるぞ」
そう言うや森田と川田は京子の体を力一杯鞭打ち出した。
ビシーン。
ビシーン。
ビシーン。
弾力のある女の柔肌にムチが当たる度に意気のいい炸裂音が鳴り響いた。
みるみるうちに京子の体には赤い蚯蚓腫れの跡が出来ていった。
「ああー。お許し下さい。森田さま。川田さま」
京子は激しい苦痛から苦しげに体を前後左右に揺らしながら激しく頭をのけぞらせストレートの美しい長い黒髪を振り乱して泣きながら森田と川田に許しを求めた。
しかし森田と川田の二人は京子の哀願などどこ吹く風と聞く様子など全く見せず鞭打ちを続けた。
しばし鞭打った後二人は鞭打ちの手を休めた。
「ははは。京子。美人エリート税理士もこうなっちゃ成れの果ての姿だな」
森田が言った。
「どうだ。散々豚以下あつかいしたオレ達にこうして丸裸にされて吊られてムチ打たれる気持ちは?」
川田が聞いた。
「み、みじめです。こわいです。森田さま。川田さま。どうか私を殺さないで下さいね。殺さないで下さるのなら私はどんな辛い責めにも耐えます」
京子はポロポロ涙を流しながら二人に哀願した。
2024年4月18日(木)擱筆
「何だよ。京子。重要な話って?」
森田が聞いた。
「森田くん。川田くん。あなた達を採用しておいて散々いじめてしまってゴメンね」
「何だ。そんなことか。別に気にしてないぜ。オレ達が日商簿記一級の資格を持っているなんてウソついたんだから叱られても自業自得だよ。しかし優しいと噂されているあんたがあんなに怖い女に豹変するのは意外だったけどな」
二人の発言を聞いた後、京子は落ち着いた口調で話し出した。
「実はね。あなた達が日商簿記一級の資格を持っていないことは知っていたの。大学卒でないことも」
「どういうことだ。京子?」
「じゃあどうしてオレ達を採用したんだ?」
二人は京子の発言に驚いて急に真顔になった。
ウソをつく京子ではない。
「じゃあその理由を話すわ」
「おい。川田。京子さんの左膝の吊りを解いてやれ」
「ああ」
二人の京子に対する態度が一気に変わった。
日商簿記一級の資格や大卒かなどかは証明書を提示するよう言えばすぐにわかることである。なぜ京子がそれらの提示を求めなかったのかは二人にはわからなかった。それは京子が人を疑わない性格だからなのだろうと漠然と思っていた。しかしそんなことはちょっと調べればすぐわかることである。
川田は急いで京子の膝を吊っている縄を解いた。
そのおかげで京子は片足吊りの責めから解放されて左足を床にもどすことが出来た。
「実はね。あなた達のことはあなた達が面接に来た後にアーウィン女性探偵社に頼んで調査してもらって知っていたの。金庫の中にあなた達の素性報告書があるから金庫を開ければわかるわ」
「じゃあどうしてオレ達が日商簿記一級の資格も持っていないことを知りながらオレ達を採用しておいてだまされたと言ってオレ達を奴隷のように扱ったんだ?」
「あなた達はアルバイトでAV男優も1年くらいやっているでしょ。あなた達が出演したアダルトビデオも私は見たわ」
「へー。そんなことまで知っていたのか。じゃあ税理士の仕事の戦力にならないとわかっていて何でオレ達を採用したんだ?」
「あなた達には前科はないでしょ。私、あなた達の出演したアダルトビデオを見たわ。全部SМ物ばっかりね」
「よく知っているな。確かにオレ達はAV男優のアルバイトを1年間やったぜ。全部SМ物ばかりだ。オレ達にはSМ趣味があるんだ」
「アーウィン女性探偵社の人達が綿密に調査してくれたわ。AV男優は演技することを監督から徹底的に教育されているから紳士が多いという事も聞かされたわ。実際あなた達は私に対する復讐で私を徹底的に辱めたけれどあなた達は私を辱めても犯しもしないし指一本触れなかったでしょ」
「い、いや。あんたを触って弄んだり犯したりしたら、あんたがオレ達を訴えた時罪が重くなるからだよ」
「ふふふ。謙遜しているけど本当はあなた達は優しい性格だわ。私はあなた達を奴隷のように虐めたけれどあんなことされたら私に復讐しようと思うのは当然だわ」
「じゃあ何で日商簿記一級も持っていないと知っていながらオレ達を採用しオレ達を虐め抜いたんだ?訳が分からないな」
二人は狐につつまれたような顔つきになった。
「じゃあ本当のことを言うわ。実は私マゾなの。これは子供の頃からの先天的な性格なの。大人になって私もSМの出会い系サイトで何人かの男と会ってみたけれどみんなセックスが目的だったわ。みんなSМとセックスをごちゃ混ぜにしていて。羞恥責めしてくれるいいSМパートナーは見つからなったわ。そこで私はあなた達が私のスタッフ募集に応募してきた後あなた達の素性をアーウィン女性探偵社に調査してもらったの。そしてあなた達がSМが好きな性格でAV男優も1年間経験していることを知ったわ。それであなた達なら理想のSМパートナーとなれると思ったの。それであなた達を採用して徹底的に虐め抜いて私に復讐するように仕向けたの。私はおびえるフリの演技をしていたけれど最高のマゾの快感を味わっていたわ」
「本当かなー?」
「ウソだと思うのならダイヤルロック式の金庫を開けて御覧なさい。開錠番号は5991よ」
森田と川田の二人は急いでダイヤルロック式の金庫の所に行き5991と合わせた。
すると金庫が開いた。
中にはパソコンと札束が入っていた。
「パソコンを開いてみなさい。その中に(私の写真)というフォルダがあるでしょ。それを開けてご覧なさい」
言われて二人はパソコンを開いた。
デスクトップにいくつものフォルダがあった。
その中に「私の写真」というフォルダがあった。
それらを開くと京子の亀甲縛りや股縄をした写真やビキニ姿の写真やオナニーしている画像や動画がたくさん出てきた。
森田と川田の二人はそれらをザーと見た。
「本当だ。信じられないけれど本当だ」
森田が目を疑って言った。
「私がオナニーしている姿を自撮りしてエッチ動画投稿サイトに投稿したのもかなりあるわよ。ワード文章があるでしょ。いくつものURLアドレスがあるでしょ。そのサイトを見てみなさい」
森田は京子に言われたようにそれらのURLアドレスのサイトを見てみた。
すると。
豆絞りの手拭いで口と下顎を隠した女が全裸で自分の胸やアソコを揉んで、あはん、あっは~ん、と悶えているいやらしい動画が出てきた。
森田はそれらの動画を急いでザーと見た。
「私もさすがに世間にこのことが知られるのはこわかったわ。だから豆絞りの手拭いをして顔を隠したの。でも右胸の上の方に小さなホクロがあるでしょ。だからそれが私だってことが本当だってことが確信できるでしょ」
京子が言った。
「本当だ。確かに右胸の上の方に小さなホクロがあるよ。それに口と下顎は見えないけれど目や鼻や顔の輪郭は明らかに京子さんだ。体つきも京子さんと同じだ」
森田と川田の二人は驚いた。
「じゃあ私があなた達のために書いておいた文章があるからそれを読んでご覧なさい」
パソコンのデスクトップには「森田くんと川田くんへ」というタイトルのワード文章があった。
彼らはそれを開けて急いで読んだ。
それにはこう書かれてあった。
「森田くん。川田くん。あなた達のことはアーウィン女性探偵社に調査してもらって知っているわ。大卒でないことも日商簿記一級の資格をもっていないことも。私はだまされたと言って大人しい性格が豹変してあなた達を奴隷のように扱うわ。そして給料も支払わず解雇するわ。あなた達はきっと怒って私に復讐すると思うの。あなた達はAV男優も経験があるでしょ。だからあなた達はきっと私に羞恥責めのSМプレイをすると思うわ。私はこわがってあなた達に許しを求めるわ。でもそれは演技よ。あなた達は私にとって理想のSМパートナーになってくれると思って採用したの。お給料は約束した倍払います。どうぞ受けとって下さい。これからも私をうんと虐めてね」
と書かれてあった。
金庫の中には札束があった。
二人はそれを手にして枚数を数えてみた。
確かに約束した給料の倍の額があった。
ここに至って森田と川田の二人は完全に京子の言うことを信じた。
「やられた。参りました。京子さん。僕たちは完全にあなたの計画にはまっていたのですね。やっぱり京子さんは頭がいい。僕たちにはあなたがとったいくつもの不可解な行動を疑う能力もありませんでした。僕たちの完敗です」
そう言って森田と川田の二人は京子の前で土下座して謝った。
「ふふふ。いいのよ。だって私は理想のSМパートナーが見つかって長年のマゾの欲求がかなえられたんだから。私の方がお礼を言わなきゃいけないわ。有難う」
京子が言った。
森田と川田の二人は完全な敗北に打ちのめされていた。
「おい。京子さんの亀甲縛りを解け。そして手錠も外して自由にするんだ」
森田が川田に言った。
「あ、ああ。そうだな」
川田は京子の亀甲縛りを解いた。
これで京子は全裸で手を吊るされているだけになった。
「おい。川田。京子さんの手錠も外せ」
森田が川田に命じた。
「ああ」
川田は京子の頭の上の手錠を外そうとした。
その時。
「川田くん。ちょっと待って。私の机の一番下の引き出しの中に私の下着があるからそれを持ってきて」
と京子が言った。
「はい」
川田は京子のデスクの引き出しの一番下を開けた。
するとたくさんの書類の下に袋があった。
開けるとブラジャーとパンティーが入っていた。
川田はそれを持って京子の所に戻ってきた。
二人は何をしたらいいのかわからず困惑している。
「森田くん。川田くん。私に下着を私に履かせて」
京子が笑顔で頼んだ。
「は、はい」
二人はかしこまって言った。
「で、では失礼します」
と言って森田はパンティーを京子の足に通しスルスルと腰まで引き上げた。
川田は京子の胸にブラジャーを着けた。
「も、もしかして京子さんはこういうことになることを予想して下着を引き出しの中に置いておいたのですか?」
森田がおそるおそる聞いた。
「まあいいじゃない。そんなことどうだって。それより私の下着姿も写真に撮って」
京子は微笑みながら言った。
「わわかりました」
森田と川田の二人はパシャパシャと下着姿で吊るされている京子をスマートフォンで撮影した。パンティーは普通のフルバックでブラジャーは肩紐のある普通のブラジャーだった。
清楚な純白の下着姿はまばゆいほど美しかった。
パンティーのアソコはモッコリと盛り上がっている。
「最高に嬉しいわ。最初にも下着姿を撮られたけれど私は手錠されて吊られていなかったでしょ。だからこうして手錠されて吊られている下着姿も撮影して欲しかったの。股縄や亀甲縛りは自分で出来て私もその写真は自撮りして自分を慰めていたけれど自分で自分の手を縛ることは出来ないでしょ。だからこうして拘束されていると夢かなったりなの。私の下着姿をとっくり見て」
京子は晴れやかな口調で言った。
パシャパシャとスマートフォンで撮影しながら下着姿の京子を見ているうちに森田と川田の二人はまたハアハアと興奮し出した。
「あ、あの。京子さん。ちょっとイタズラしてもいいですか?」
森田が聞いた。
「いいわよ。何をしても」
京子は平然と答えた。
「じゃあちょっと失礼します」
そう言って森田は京子のパンティーを膝の上まで降ろしブラジャーは着けたままペロリとめくり上げた。
アソコとおっぱいが丸見えになった。
手が使えないので京子はパンティーを引き上げることも出来ずブラジャーを元の位置に戻すことも出来ない。
それはあたかもいやらしい男に吊るされてパンティーとブラジャーを脱がされかかっている女のようだった。
「ああっ。恥ずかしいわ。みじめだわ。でも私こういうみじめな格好にもされたいと思っていたの。ああ。マゾの快感が最高だわ」
京子にはもうためらいの気持ちはなくなっていた。
ただひたすら被虐の快感を求め尽くしたい気持ちになっていた。
森田と川田の二人はハアハアと興奮しながらズボンの上からテントを張った股間をさすりながらパシャパシャと京子の恥ずかしい姿をスマートフォンで撮った。
二人は10枚くらい色々な角度から京子をスマートフォンで撮った。
「京子さん。有難う。もう十分撮りました」
そう言って森田は膝の上まで降ろされていた京子のパンティーを腰まで引き上げた。
そしてめくり上げたブラジャーを元にもどして二つのおっぱいをブラジャーの中に入れた。
「京子さん。もう手錠を外してもいいでしょうか?」
森田は恭しく京子に聞いた。
「ええ。お願い。手錠を解いて」
言われて森田は京子の手錠に結びつけられている縄を解いた。
京子を天井に吊っていた縄が解かれて京子はペタンと床に座り込んだ。
森田は手錠も外した。
これで京子の拘束は全部なくなって完全に自由になった。
京子はブラジャーとパンティーだけという姿である。
「森田くん。川田くん。服を着たいの。ちょっと後ろを向いてくれない」
京子が言った。
はい、と言って二人はクルリと体の向きを変え京子に背を向けた。
女にとっては服を着るのを見られるのも恥ずかしいものなのである。
京子は立ち上がって床に落ちているワイシャツと上下揃いのスーツを拾った。
京子はスカートを足にくぐらせて腰まで引き上げてホックで留めた。そしてワイシャツを着てその上にスーツを着た。
「ありがとう。森田くん。川田くん。もういいわよ」
京子が言った。
言われて二人はクルリと体の向きをもどし京子を見た。
うっと二人は声をもらした。
そこにはいつもの憧れのエリート税理士の颯爽たるスーツ姿の京子がいたからである。
森田は冷蔵庫から麦茶とコップを持って来た。
「京子さん。長い間立ち続けて疲れたでしょう」
そう言って森田は麦茶をコップに入れて京子に差し出した。
「ありがとう。森田くん」
京子は礼を言ってコップを受けとり麦茶をゴクゴク飲んだ。三杯飲んだ。
森田と川田の二人はきまりが悪かった。
それを京子は十分に察していた。
「森田くん。川田くん。ソファーに座って」
京子は笑顔で言った。
「はい」
二人は素直に返事してソファーに並んで座った。
「二人のためにカレーライスを作っておいたの。食べていって」
そう言って京子は小走りにキッチンに行った。
そして炊飯器や大きな鍋などを持って戻ってきた。
京子はテーブルの上に大きな皿を二つ置いた。
そして炊飯器を開けて二つの皿にホカホカのご飯を入れた。
そしてご飯の上に温めたカレーをたっぷりとかけた。
「さあ。二人とも疲れたでしょう。食べて」
京子は笑顔で言った。
二人に瞬時に食欲の唾がどっと出てきた。
しかもそれが憧れの京子さんが作ってくれたものだと思うと食欲はなおさら増した。
「京子さん。ありがとう。頂きます」
そう言って二人はスプーンでガツガツとカレーライスを食べた。
それを京子は嬉しそうに見ていた。
食べ終わると二人は京子がテーブルの上に置いてくれた氷の入った冷たい水をゴクゴクと飲んだ。
「あー。美味しかった。どうもありがとう。京子さん」
「いえ。どういたしまして」
京子は自分は食べずに二人が食べるのを嬉しそうに見ていただけだった。
「京子さん。これから僕たちどうなるんですか?」
森田が聞いた。
「今まで通り働いてくれない。お給料もちゃんと払うから」
京子がニコッと微笑みながら言った。
「そう言ってもらえると嬉しいです。だって京子さんは素晴らしい人なんですから。僕、京子さんを好きになってしまいました」
森田が言った。
「僕も京子さんを好きになってしまいました」
川田が言った。
「私もあなた達が好きだわ」
京子は笑顔で言った。
「でも一つ心配なことがあるわ」
「何ですか。それは?」
「私一度プレイじゃなくて本気で虐められたかったの。今日はその夢がかなって嬉しかったわ。でもタネあかしをしちゃった後では本気の意地悪は出来にくくなるわ。それが残念だわ」
「そうですね。確かに僕たち、もう本気で京子さんを虐める気にはなれないような気がします」
「でも大丈夫よ。今は確かにあなた達落ち込んでいるかもしれないけれど。時間が経てばやがてまた私を本気で虐めたくなる気になると思うわ」
京子が言った。
「僕も何だかそんな気がします」
森田が言った。
「それと。一つお願いがあるの」
「何でしょうか。京子さん」
「これからもあなた達に働いてもらうけれど依頼者が来た時には今まで通り依頼者の前であなた達を罵倒して虐め抜いてもいい?」
「ええ。構いません。でもどうしてですか?」
「私があなた達を徹底的に虐め抜くことによって私に対する憎しみ、復讐心、私に仕返ししてやろうという加虐心をあなた達に起こさせるためよ」
「なるぼど。それを想像するとまた本気で京子さんを虐めたいという気持ちが起こるような気がします。遠慮なく僕たちを虐めて下さい。素晴らしい憧れの京子さんになら虐められるのが楽しみです。美しくて優しい京子さんに虐めてもらえると思うともうマゾの快感が起こり出しました」
「ありがとう。嬉しいわ。じゃあ月曜から金曜までは今まで通りに働いてくれない。私は今までのようにあなた達を奴隷のように扱う姿を依頼者に見せつけるわ。それで休みの土曜日にあなた達がその復讐として私を虐め抜くの。どう?」
「いいですね。それを想像するともうムラムラしてきます」
もう夜の11時だった。
「では今日はもう遅いので僕たちは今日は帰ります」
そう言って森田と川田の二人は立ち上がった。
「また私を虐めてね。今日は羞恥責めだったけれど今度は私が悲鳴を上げて泣き叫ぶまで虐めてね」
「そう言われると何だかムラムラしてきます」
そう言って森田と川田の二人は去って行った。
・・・・・・・・・・・・・
月曜日になった。
佐藤税理士事務所では佐藤京子とスタッフとして森田と川田の二人が今まで通りの様子で働いていた。
その様子は以前と変わらずこんな風である。
佐藤京子に税務処理を頼む客が来ると佐藤京子はテーブルを挟んで客の依頼を詳しく聞き丁寧にアドバイスした。
依頼客と佐藤京子は実に和気あいあいとした会話だった。
二人の男はその横で床を雑巾がけしていた。
それは佐藤京子の命令だった。
依頼客が疑問に思って佐藤京子に、
「この二人はどういう方なのですか?」
と聞くと佐藤京子は、
「いやー。こいつらは大卒でないのに大卒と偽って簿記について何も知らないのに日商簿記1級の資格を持っていますなどと言って面接に来たので採用してしまったんです。クビにしようかとも思いましたがこいつらの腐った根性を叩き直すためにクビにはしないでやっているんですよ」
と佐藤京子は言った。
「そうだったんですか」
「ええ。そうです。世の中にはこういうとんでもない詐欺師、悪い人間がいますから人を安易に信用しないで下さいね」
「まあ。本当ですか。こわいですね。人間って信用できないんですね。私もこれから人を採用する時には履歴書を信用しないで興信所に調査してもらって履歴書に書いてあることが本当かどうか確かめてから決めようと思います」
「ええ。ぜひそうした方がいいですよ」
おーい、ろくでなしのブタ野郎二人お茶を持ってくるくらいの気はきかせろと佐藤京子は二人を怒鳴りつけた。
「す、すみません」
と言って二人は急いでお茶を持ってきた。
二人がお茶をテーブルの上に乗せると、
「おい。ブタ野郎。どうぞくらいの言葉を言うのが礼儀だろ」
と佐藤京子は二人をののしった。
依頼者は予想と違って佐藤京子の厳しさに驚いて目を白黒させたが他人のことに干渉することも出来にくいので黙っていた。
その後も佐藤京子と依頼者は色々なことを雑談した。
「では今日はこれで帰ります。これからよろしくお願い致します」
と言って玄関に向かった。
二人はボサッとしている。
「おい。ブタ野郎二匹。大切なお客さまだぞ。玄関を開けて(今日は遠い所ご足労いただきまして有難うございました。気をつけてお帰り下さい)くらいのこと言うのが礼儀だろ」
と言って男二人を蹴飛ばした。
二人は京子に言われて焦って玄関の戸を開けた。
依頼者が来ると万事がこの調子だった。
・・・・・・・・・・・・・・
その週の土曜日の様子。
京子は丸裸にされて縄で手首を縛られて天井に吊られていた。
それでも女の羞恥心の本能から太腿をピッチリと寄り合わせてアソコを隠そうとしていた。
羞恥心とこれから何をされるのかわからない恐怖心から体がプルプルと小刻みに震えていた。
その姿はいじらしかった。
森田と川田はソファーに座ってワインを飲みながらその姿をニヤニヤと笑いながら眺めていた。
「それじゃあ始めるとするか」
そう言って二人は立ち上がった。
二人の手には黒い高級水牛革の丈夫な一本鞭が握られている。
「よし。始めるぞ」
そう言うや森田と川田は京子の体を力一杯鞭打ち出した。
ビシーン。
ビシーン。
ビシーン。
弾力のある女の柔肌にムチが当たる度に意気のいい炸裂音が鳴り響いた。
みるみるうちに京子の体には赤い蚯蚓腫れの跡が出来ていった。
「ああー。お許し下さい。森田さま。川田さま」
京子は激しい苦痛から苦しげに体を前後左右に揺らしながら激しく頭をのけぞらせストレートの美しい長い黒髪を振り乱して泣きながら森田と川田に許しを求めた。
しかし森田と川田の二人は京子の哀願などどこ吹く風と聞く様子など全く見せず鞭打ちを続けた。
しばし鞭打った後二人は鞭打ちの手を休めた。
「ははは。京子。美人エリート税理士もこうなっちゃ成れの果ての姿だな」
森田が言った。
「どうだ。散々豚以下あつかいしたオレ達にこうして丸裸にされて吊られてムチ打たれる気持ちは?」
川田が聞いた。
「み、みじめです。こわいです。森田さま。川田さま。どうか私を殺さないで下さいね。殺さないで下さるのなら私はどんな辛い責めにも耐えます」
京子はポロポロ涙を流しながら二人に哀願した。
2024年4月18日(木)擱筆