小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

病気の非常に多くは、自己責任の要素があり、本人の意志で未然にふせげる(池見酉次郎)

2016-09-26 19:25:53 | 医学・病気
僕は、あまり、(どころか、全然)世間で、叩かれている人を、尻馬に乗って、攻撃するのは、好きではない。

僕の、発言は、ほとんど、世間の人の考えと、正反対である。

しかし。

長谷川豊氏の発言。

「自業自得」とはっきり判断できるレベルの人工透析患者など、全額自己負担にせよ!」

彼は、自己責任で発症した病気は、本人のせいなのだから、自費診療にしろ。自己責任でない、病気や、怪我は、同情すべき可哀想な患者さんなのだから、保険診療にすべきである、という主張らしい。

これには、非常に、「偽善者」の匂いが、プンプンする。

修正主義、偽善者と、でも、言うべきか。

また、彼の文章からは、非常に、彼の人格の、「軽率さ」、「うすっぺらさ」、を感じる。

そもそも、病気の、ほとんどは、自己責任の要素を、多かれ少なかれ、含んでいる。のである。

一番、わかりやすいのは、歯科治療である。

子供でも、大人でも、そうだが。チョコレートや、甘い菓子は、全く食べす、正しい、ブラッシングを身につけて、毎日、きちんと、歯を磨けば、虫歯は、発症しないですむ。

歯周病にしても、そうである。

なら、彼の理屈でいくと、歯科治療は、全部、自費診療すべき、ということになる。

しかし、そうしたら、日本の、菓子メーカーは、全て経営できなくなり、倒産してしまう。コンビニからも、甘い菓子がなくなってしまう。

日本の経済が、破綻してしまう。

プロ、アマ、問わず、野球選手、で、肩を一度、故障して、肩に不安があって、再発を心配している人は、野球を、やめればいい。そうすれば、確実に、怪我は、予防できる。

それは、野球だけでなく、全てのスポーツで、言える。

なら、スポーツ選手の怪我も、彼の理屈でいくと、全て自費診療にすべき、ということになる。

心筋梗塞や、脳梗塞も、自己責任ということになる。

日本で、心療内科をつくった、九州大学名誉教授だった、心療内科医の、僕が非常に尊敬している、池見酉次郎先生(もう、亡くなられたが)も。

「病気の非常に多くは、本人の自己責任の面があり、本人の意志でふせげる」

と、長い臨床経験から、医学的見地から、言っておられる。

そもそも、今の日本では、仕事が、生きがいになっている人より、仕事が、悪玉ストレスになっている人の方が、圧倒的に多い。

僕は、診療では、病気治療、至上主義では、さらさらない。

「病気は治ったが、患者は(精神的に)死んだ」、にしては、いけないのである。

ストレスを避け、適度に運動し、カロリー制限した食生活をし、十分に睡眠をとり、・・・、なんて、バカな一部の医者が言ってるが、そんな、健康にとって、理想的な生活を送れるのは、1000人に、一人もいない、だろう、大金持ちの、子供、にしか出来ない。

日本人は、みな、苦しい仕事、生活の中で、自分の体を、害しながら、一生懸命、生きているのである。

また、僕は、人間の生き方を、「こうするべきだ」、と、規定して、押しつけるのが、大嫌いである。

僕は、僕の価値観をもっているが、他人に対しては、自分の価値観の、押しつけは大嫌いである。

健康を害するからといって、病気治療至上主義にしたら、患者は、収入がなくなり、生活できなくなってしまう。

そのことを、絶えず、考えて、患者に、ベストと、ベターな、選択肢を、言って、あとは、患者の判断に任せている。
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