かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 238 中国⑩

2023-05-13 09:44:35 | 短歌の鑑賞
2023年度版馬場あき子の旅の歌31(2010年8月実施)
     【砂の大地】『飛天の道』(2000年刊)185頁~
      参加者:H・A、T・S、藤本満須子、T・H、鹿取未放
      司会とまとめ:鹿取 未放


238 暗窟に飛天閉ぢられ極彩の幻覚の闇を飛びし二千年

      (まとめ)
 莫高窟などを見学したようだが、それらの窟には極彩の飛天が描かれている。それらの壁画は長い年月をかけて営々と描きつがれてきた。暗窟を見学する時は、ほんの少しの間だけガイドが懐中電灯で壁画を照らしてくれるそうだ。その一瞬に作者は極彩の飛天像を見た。そしてまた後は暗闇。作者は二千年間暗闇を飛び交っていた飛天たちの姿を幻視したのであろう。なお、莫高窟の壁画は古いもので366年の記録があり、14世紀ごろまでかかって制作されたとある。(鹿取)


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