2024年版 渡辺松男研究26(15年4月)
【光る骨格】『寒気氾濫』(1997年)89頁~
参加者:かまくらうてな、M・K、M・S、鈴木良明、
曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:鈴木 良明 司会と記録:鹿取 未放
217 沈黙を守らんとする冬の木のなかにひともと紅梅ひらく
(レポート)
沈黙を堅持しようとしている冬木々の中にあって、その空気を和らげるようにひと足早く、紅梅がいっぽん明るく咲き始めた。(鈴木)
(紙上意見)
沈黙に耐えられなくなった紅梅はいちはやく人間に迎合して、鮮やかな容姿をみせつける、冬枯れの世界で、目立ちたい紅梅はナルシストで、裏切りものだ。(S・I)
(当日意見)
★S・Iさんのナルシストというのは唐突だなと思います。(鈴木)
★まあ、以前の歌から導き出された意見なのでしょうね。私は季節が来ればやがてみん
な花開いていくので、先に咲いたからって人間に迎合したとかナルシストだ、裏切り
者だとは思わないですけれど。先駆けに対する評価の違いですよね。(鹿取)
(後日意見)
次の218番歌(土屋文明をわれは思えり幹黒き樹は空間に融けゆかぬなり)を読むと、「目立ちたい紅梅はナルシストで、裏切りものだ」というS・Iさんの意見はあながち突飛なものでもないように思われてくる。この読みですんなりと土屋文明に繋がるのだ。(鹿取)
【光る骨格】『寒気氾濫』(1997年)89頁~
参加者:かまくらうてな、M・K、M・S、鈴木良明、
曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:鈴木 良明 司会と記録:鹿取 未放
217 沈黙を守らんとする冬の木のなかにひともと紅梅ひらく
(レポート)
沈黙を堅持しようとしている冬木々の中にあって、その空気を和らげるようにひと足早く、紅梅がいっぽん明るく咲き始めた。(鈴木)
(紙上意見)
沈黙に耐えられなくなった紅梅はいちはやく人間に迎合して、鮮やかな容姿をみせつける、冬枯れの世界で、目立ちたい紅梅はナルシストで、裏切りものだ。(S・I)
(当日意見)
★S・Iさんのナルシストというのは唐突だなと思います。(鈴木)
★まあ、以前の歌から導き出された意見なのでしょうね。私は季節が来ればやがてみん
な花開いていくので、先に咲いたからって人間に迎合したとかナルシストだ、裏切り
者だとは思わないですけれど。先駆けに対する評価の違いですよね。(鹿取)
(後日意見)
次の218番歌(土屋文明をわれは思えり幹黒き樹は空間に融けゆかぬなり)を読むと、「目立ちたい紅梅はナルシストで、裏切りものだ」というS・Iさんの意見はあながち突飛なものでもないように思われてくる。この読みですんなりと土屋文明に繋がるのだ。(鹿取)
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