かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 331

2024-12-03 10:01:35 | 短歌の鑑賞
  2024年度版 馬場あき子の外国詠45(2011年11月実施)
      【氷河鉄道で行く】『太鼓の空間』(2008年刊)164頁
       参加者:K・I、N・I、泉可奈、崎尾廣子、曽我亮子、
          藤本満須子、渡部慧子、鹿取未放
       レポーター:N・I 司会とまとめ:鹿取 未放
   

331 迷路のやうな氷道ほのかなりければこの薄い酸素こそはアルプス

     (まとめ)(2016年11月改訂)
 氷道とは、329番歌(人間が考へることとつぴでもなくて氷河の胎内にゐる)でも見てきたように、「氷の宮殿」と呼ばれる氷河をくりぬいたトンネルのことだろう。3454メートルといえば富士山よりも高いから当然空気は薄く、急激に動けば息が苦しい。その空気の薄さにアルプスへ来たことを実感している。またこの標高だからかなり寒いらしい。作者の旅は夏だったようだが、それでも氷点下である。ちなみに「ユングフラウヨッホ」の公式ウエブサイト(英語)によると、本日2016年11月7日の予報は摂氏-17°である。(鹿取)
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