かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『寒気氾濫』の一首鑑賞 12

2023-03-23 11:00:19 | 短歌の鑑賞
    2023年度版 渡辺松男研究3
      (13年3月)【地下に還せり】
      『寒気氾濫』(1997年)12~
       参加者:崎尾廣子、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
       司会と記録:鹿取 未放


12 ふくろうのごとき月光ほおほおと潤いおびて樹海にそそぐ

     (当日意見)
★ふくろうのごとき月光というのは普通では考えられない比喩。ふ
 くろうって膨れた感じがするのでふっくらとした気分が出てい
 る。(曽我)
★ふくろうって知恵者といわれている。また月も知恵の女神であ
 る。だからそんな感じで比喩にされたのかなと思う。(慧子) 
★ふくろうという生き物の温かみかなあ。「ほおほお」が鳴き声で
 あるとともに、ふわふわとした柔らかさの温感を出している。や
 さしくやわらかく体温のある月の光が樹海に注いでいる、恩寵の
 ような風景。(鹿取)



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