2023年度版 渡辺松男研究3
(13年3月)【地下に還せり】
『寒気氾濫』(1997年)12~
参加者:崎尾廣子、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
司会と記録:鹿取 未放
13 月光に眠れざるもの樹にありて風切りの羽つくろいていん
(当日意見)
★「ふくろうのごとき月光ほおほおと潤いおびて樹海にそそぐ」
という前の歌の続きだから主語はふくろうとかを想定すればい
いのではないの。夜行性の動物は昼間寝て夜活動するので。
たとえば眠れない〈われ〉がいて、今頃はふくろうも風切りの
羽をつくろったりして目覚めているんだろうなあと想像してい
る。(鹿取)
★夜眠らない鳥、と考えると歌が物足りなくなるような気がする
けど。本来眠れるものが眠れない方が深い。(崎尾)
★私はふくろうの続きの歌とは思わなくて、鳥でも眠れないもの
がいるのかなあと思った。(慧子)
★そうか、ふくろうは夜行性だから「眠れざる」ではないわけね。
木にいて風切り羽をつくろうのは明らかに禽類で、何の鳥と言
わないで「眠れざるもの」と言っているところが松男さんなん
だけど。まあ、比喩的に読めば眠れずに闘志を燃やして闘いの
準備をしている人間ともとれないことはないけど、それでは私
はつまらないな。作者の姿からは遠いものになる。(鹿取)
★なんとなく雰囲気が優しい。絵をみているよう。(曽我)
★童話の挿絵みたいですよね。(鹿取)
(13年3月)【地下に還せり】
『寒気氾濫』(1997年)12~
参加者:崎尾廣子、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
司会と記録:鹿取 未放
13 月光に眠れざるもの樹にありて風切りの羽つくろいていん
(当日意見)
★「ふくろうのごとき月光ほおほおと潤いおびて樹海にそそぐ」
という前の歌の続きだから主語はふくろうとかを想定すればい
いのではないの。夜行性の動物は昼間寝て夜活動するので。
たとえば眠れない〈われ〉がいて、今頃はふくろうも風切りの
羽をつくろったりして目覚めているんだろうなあと想像してい
る。(鹿取)
★夜眠らない鳥、と考えると歌が物足りなくなるような気がする
けど。本来眠れるものが眠れない方が深い。(崎尾)
★私はふくろうの続きの歌とは思わなくて、鳥でも眠れないもの
がいるのかなあと思った。(慧子)
★そうか、ふくろうは夜行性だから「眠れざる」ではないわけね。
木にいて風切り羽をつくろうのは明らかに禽類で、何の鳥と言
わないで「眠れざるもの」と言っているところが松男さんなん
だけど。まあ、比喩的に読めば眠れずに闘志を燃やして闘いの
準備をしている人間ともとれないことはないけど、それでは私
はつまらないな。作者の姿からは遠いものになる。(鹿取)
★なんとなく雰囲気が優しい。絵をみているよう。(曽我)
★童話の挿絵みたいですよね。(鹿取)
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