かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『寒気氾濫』の一首鑑賞 319

2024-09-23 10:29:27 | 短歌の鑑賞
 2024年度版 渡辺松男研究39(2016年6月実施)
     【明解なる樹々】『寒気氾濫』(1997年)133頁
      参加者:S・I、泉真帆、M・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
      レポーター:渡部 慧子   司会と記録:鹿取 未放
 

319 天上に白もくれんの花ゆれてわが目わが日々白くくもらす

        (当日意見)
★「白くくもらす」は白もくれんの白から来た心象に近いですね。(S・I)
★白もくれんが咲いたから「わが目わが日々白くくもらす」 ことになるので、天上的
 な白いもくれんが咲いて自分の目も日々も清らかな白い色で満たされている、そんな
 ことを言っているのでしょう。ただ、それを「くもらす」って捉えたところが独自だ
 と思います。 (鹿取)
★私は未来が白くくもっていて不安を感じていらっしゃるのではないかと思いまし
 た。行く末が霧みたいにはっきり見えない。(M・S)
★「天上」って言葉遣いからして清らかなイメージで、精神が浄化されている感じだ
 から、ここでは未来の不安とかいうことではないでしょうね。(鹿取)



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