2024年度版 馬場あき子の外国詠58(2012年11月実施)
【ラインのビール】『世紀』(2001年刊)213頁
参加者:K・I、崎尾廣子、曽我亮子、藤本満須子(紙上参加)、
T・H、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部 慧子 司会とまとめ:鹿取 未放
420 ローレライの岩は絶壁でその上にバス止めて菩提樹の疎林に遊ぶ
(まとめ)
★「ローレライの岩は絶壁でその上にバス止めて」までの措辞はかなりの字余りである
し、かなり散文的な歌だ。「ローレライの岩は絶壁(で)その上にバス止め(て)」な
どと( )部分の助詞を省けば少しは定型に近くなるのに、わざとなのだろう、それ
をしない。なるほど古歌の通りローレライの伝説の岩は絶壁だった。その岩の上は平
らで広場のようになっていた。そこにバスを止め、しかしライン川の絶景を眺めるの
ではなく、岩や川とは反対方向に広がる菩提樹の疎林を散策した。さまざまな文学作
品を思わせて疎林も魅力的ではあるが、敢えて川の方向に背を向けたのはなぜなの
か。ライン川に沿って長くバスが走ったので、その風景は十分見たとうことか。ある
いは菩提樹の疎林がよほど魅力的だったのかもしれない。(鹿取)
【ラインのビール】『世紀』(2001年刊)213頁
参加者:K・I、崎尾廣子、曽我亮子、藤本満須子(紙上参加)、
T・H、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部 慧子 司会とまとめ:鹿取 未放
420 ローレライの岩は絶壁でその上にバス止めて菩提樹の疎林に遊ぶ
(まとめ)
★「ローレライの岩は絶壁でその上にバス止めて」までの措辞はかなりの字余りである
し、かなり散文的な歌だ。「ローレライの岩は絶壁(で)その上にバス止め(て)」な
どと( )部分の助詞を省けば少しは定型に近くなるのに、わざとなのだろう、それ
をしない。なるほど古歌の通りローレライの伝説の岩は絶壁だった。その岩の上は平
らで広場のようになっていた。そこにバスを止め、しかしライン川の絶景を眺めるの
ではなく、岩や川とは反対方向に広がる菩提樹の疎林を散策した。さまざまな文学作
品を思わせて疎林も魅力的ではあるが、敢えて川の方向に背を向けたのはなぜなの
か。ライン川に沿って長くバスが走ったので、その風景は十分見たとうことか。ある
いは菩提樹の疎林がよほど魅力的だったのかもしれない。(鹿取)
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