かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『泡宇宙の蛙』の一首鑑賞  54

2022-04-16 16:21:41 | 短歌の鑑賞

  渡辺松男研究2の8(2018年1月実施)『泡宇宙の蛙』(1999年)
    【百年】P40~
     参加者:泉真帆、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:泉真帆    司会と記録:鹿取未放
     
54 膨れあがりくる椎の瘤ずきずきと時間が外へ出たがりている

     (後日意見)
 53番歌(圧しゆがめられたるさまに椎の木の瘤はあるなり一つ目の瘤)の続きで、「圧しゆがめられ」た異形の椎の瘤を詠む。時間の堆積によって木からはみ出してぐにゃりと曲がった瘤、それは時間が外に出たがって膨れあがってくるのだ。「ずきずき」という痛みを伴う体感のオノマトペで椎の瘤の切実さを出している。(鹿取)



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 渡辺松男『泡宇宙の蛙』の一... | トップ | 渡辺松男『泡宇宙の蛙』の鑑... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

短歌の鑑賞」カテゴリの最新記事