かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 431(韓国)

2019-12-09 19:23:18 | 短歌の鑑賞
  馬場あき子の外国詠59(2013年12月実施)
   【発光 武寧王陵にて】『南島』(1991年刊)P90~
    参加者:K・I、崎尾廣子、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
    レポーター:崎尾 廣子   司会とまとめ:鹿取 未放
 

431 武寧王の黄金(こがね)の宝みる朝ぞ六世紀大陸の力は迫る

      (レポート)
 武寧王陵の副葬品の表(『韓国の古代遺跡』中央公論社)に目を通すとその数のあまりの多さに圧倒される。金製の品々の多さにも驚かされる。この金製耳飾り等々見たのであろう。中国では581年に隋が中国全土を統一し朝鮮三国の角逐はいっそう激しさを増してくる。『図説韓国の歴史』(河出書房新社)によると、武寧王陵の出土品から当時の国勢と高い文化水準が伺えるとある。(崎尾)


      (当日発言)
★「大陸の力は迫る」は、副葬品の圧倒的なきらびやかさによって王の力の大きさが迫ってくる、
 といっているのだろう。 (鹿取)
    

     (後日発言)
 次に「物部連(もののべのむらじ)ら海を越えゆきて百済の黄金いかにか見けむ」の歌があるので、武寧王の黄金の宝を見てその莫大な富を貯えた圧倒的な権力に思いを馳せている歌なのであろう。その宝を見る現代の自分をも圧倒する力である。(鹿取)



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