かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 39(アフリカ)

2019-01-11 18:59:46 | 短歌の鑑賞
  馬場あき子の外国詠5(2008年2月実施)
  【阿弗利加 2 金いろのばつた】『青い夜のことば』(1999年刊)P165~
  参加者:K・I、N・I、崎尾廣子、T・S、高村典子、
       藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
  レポーター:N・I      司会とまとめ:鹿取 未放


39 しぶ鏨(たがね)・なめくり鏨・ななこ打ちここアフリカの鏨はひとつ

           (レポート)
 いろいろ用具はあるけれど、アフリカ人は諸々の事に器用なので、ここアフリカでは鏨ひとつで細工することができることを讃えています。(N・I)


      (まとめ)
 鏨は鋼鉄製の鑿(のみ)のこと。上の句に並べた鏨の名前がゆかしく歌に懐かしいニュアンスを加えている。45番歌に「われ昔鍛冶屋の友ありその祖父の打つ鎌の火を見てうやまひき」があり、作者の子ども時代になじんだ道具類だったのだろう。こんなふうに日本では様々な種類の鏨があるが目の前のアフリカの人々はたった一種類の鏨を器用に扱って様々な作品を作り出している。鏨が一種類しか無いのは経済の差なのであろうが、それを乗り越える技に作者は感嘆している。(鹿取)



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