かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞 65

2020-08-15 21:57:18 | 短歌の鑑賞
  ブログ版渡辺松男研究 ⑧(13年9月)
    【からーん】『寒気氾濫』(1997年)30頁~
    参加者:崎尾廣子、鈴木良明、曽我亮子、高村典子、渡部慧子、鹿取未放 
    司会と記録:鹿取 未放

65 広辞苑開かれずある幾週を「摩耶(まや)」も「浄飯王(じょうぼんのう)」も生き埋め
 
 幾週間も広辞苑を開いていないので、そこに書かれている項目、例えば「摩耶」も「浄飯王」も活用されていない。それを「生き埋め」ととらえたところが独特である。「摩耶」と「浄飯王」はお釈迦様、すなわちゴータマ・ブッダの母と父であるが、「摩耶」も「浄飯王」も単なる例えではなく、目下の関心事であるのだろう。その関心事に没頭したいのに、おそらく仕事が忙しくてそれができない。そのように自分の精神生活が圧迫されている苦しさから歌への飛躍がみごとである。(鹿取)

  

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