かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『泡宇宙の蛙』の一首鑑賞 217

2022-12-22 10:16:50 | 短歌の鑑賞
   2022年度用 渡辺松男研究2の28(2019年10月実施)
     Ⅳ〈水〉『泡宇宙の蛙』(1999年)P138~
     参加者:泉真帆、岡東和子、A・K、菅原あつ子(紙上参加)、鹿取未放
     レポーター:岡東和子    司会と記録:鹿取未放


217 にごる水とどこおる水くらき水 にんげんがみな病気だなんて

       (レポート)
 作者はまず、不健康になりそうな水を三種類挙げている。そして一マスあけて「にんげんがみな病気だなんて」と、強調とも反語ともとれる終わり方をしている。水は苦しみにつながるという事か。(岡東)


      (紙上参加意見)
 人体はほぼ水でできている。その水、血や体液に問題があれば病気になる。そしてほとんどの人は病気なのだ。作者は体も心も病んでいる人間存在を悲しんでいるのだろう。 (菅原)


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