かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 14 アフリカ①

2023-06-26 11:40:14 | 短歌の鑑賞
 2023年度版馬場あき子の外国詠2(2007年11月実施)
    【阿弗利加 1サハラ】『青い夜のことば』(1999年刊)P155~
      参加者:崎尾廣子、T・S、N・T、藤本満須子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:崎尾 廣子  司会とまとめ:鹿取 未放
  

14 日本人まこと小さし扶けられ砂漠を歩むその足短かし

      (まとめ)
 日本人が小さいというのは、ここでは優劣の感覚ではなく、西洋人などに比べての単純な比較である。日本人が小さいという歌は他の旅行詠でも馬場はよく詠っている。ただ、結句の「その足短し」にはやや自虐的なニュアンスがあるかもしれないが、別に卑屈になっているわけではない。旅の同行者によると沙漠を登るのに駱駝に乗っていく組と徒歩組に別れたそうだが、馬場は歩いたのだろうか。あるいは歩いている人を見て詠んだのかもしれない。ともかく沙漠を歩むのは慣れていないとたいへん難しい。それで現地の人に扶けられながら進むのである。(鹿取)
 【参考】
  ジパングは感傷深き小さき人マドリッドにアカシアの花浴びてをり(スペイン)
           『青い夜のことば』
  羊のやうに群れて歩める小さき影カラードにして金持われら(チェコ)
                       『世紀』 

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