かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 398(中欧)

2020-04-16 19:40:28 | 短歌の鑑賞
   馬場あき子の外国詠55(2012年8月)
     【中欧を行く カレル橋】『世紀』(2001年刊)P113
     参加者:K・I、崎尾廣子、鈴木良明、曽我亮子、藤本満須子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:曽我 亮子 司会と記録:鹿取 未放

       
398 カレル橋たそかれ色に青むころともし灯は影を生みたく灯(とも)る

          (レポート)
 カレル橋に夕暮れがきて、淡い青色のしっとりとした靄に包まれる頃が何ともあわれに美しく、うらやましい限りである。欄干に灯る灯火は漆黒の影ではなく、青みを帯びてふんわりかろやかな影を作りたくて灯るのだろう。
 ■朝夕もや籠める都プラハはバルタヴァ川から立ちのぼる川霧に包まれる。特にこの大河に架か
  るカレル橋近辺は夢のような様相を醸す。青みを帯びた靄に包まれて全てが模糊として何とも
  美しく、私も去りがたく思ったことだった…。(曽我)


         (当日発言抄)
★「カレル橋」と「たそかれ」は韻を踏んでいる。(慧子)
★下の句「影を生みたく灯(とも)る」が独特。(鹿取)
★下の句の擬人法はあまり好きではない。上の句も「たそかれ色」に「青む」といっているが、
 「たそかれ色」って既にある。それを「青む」といっても青もいろいろあるのに。思い入れが
 あるのだろうが技巧的で好きではない。(鈴木)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 馬場あき子の外国詠 397(... | トップ | 馬場あき子の外国詠 399... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

短歌の鑑賞」カテゴリの最新記事