入ったお金はパァ〜とつかおう

売り家の看板を立ててから何年たっただろう。

私の実家のことだ。
結局、売値の3分の2ぐらいで契約が成立しそうだ。

私の実家は築45年、軽量鉄骨の、建売の、団地の、
婚家からもバカにされた小さくて古い家だ。

その家をリフォームして売りたいという不動産屋が現れたのだ。

いや〜、一体いくらで売るつもりだろう。

しかしなんだ、すげえな。
築45年だよ。

屋根は25年程前に修繕し、
トイレは温水洗浄便座にかえ、
床は父がDIYで張替え、
シャワーも父がDIYで取付け、
木造倉庫も父の作品。

あ〜何度思い出しても、泣いてしまうのな。

ホントによくメンテナンスしてたよ、2人して。


ゴメンね、手放すことになって。

もう管理するの、限界。
草抜きは業者に頼んでたけど、近所の人がうるさくてさ。

クモが出るだの、ヘビが出るだの
そんな事言われてもねー。

お金が入ったら、パァ〜とつかおう。

あ、それから。
あなた達しか入っていないお墓、勿体ないから私も入るつもりです！

合わせて、ゴメンなさい。
不甲斐ない娘でゴメンなさい。

ゴメンなさい。