心の壁は、とっくの昔にできている

旦那の寝言に我慢できず、宝物の部屋に移って早やひと月。

宝物は毎年夏休みにも帰らないので、念入りに掃除をし、
壁に張り付くメイサさんをロフトに片付け
すっかり慣れてきた今日この頃。
宝物が帰ってくるという。

10日ぐらい居ると言う。

もうパニックなのね。
部屋が欲しいのよ、私。
自分だけで好きな温度でゆっくり眠れる
自分だけの寝室が。

二階に親を引き取っても困らないスペースを10年前に作っておいて、本当によかった。

そのスペースに部屋を作りたくて、去年の秋から建築会社に連絡していたがハゲ狸はいっこうにやって来なかった。

10年前に私が売ったケンカがソートー遺恨を残した模様。

私は他の業者を探したかったんだけど、旦那が首を縦にふらないのな。
で、諦めて宝物の部屋をのっとったんだけどさ。

あ〜困ったなー。
お前、帰らないって言ったじゃん！

これは策を練らなければ‥‥そうだ！
スイカを絶とう！

旦那が三度の飯より好きなスイカ。
そうだ！
私の部屋ができるまで、スイカは買わない。

それからは早かったね。

新しい業者を見つけ、十日後には部屋ができた。

いやさー壁が出来た。

幸せ。

そして旦那は言った。

「何もかも、お前の思惑どおりやの」


違う。
私の計画では、お前は22年前にヤられている。
生きて寝言が言えることを感謝しろ。