我が名はストーム

わらわはストームじゃ。
天候をつかさどる神じゃ、みなのもの苦しゅうない。


なんつって。



先日、地鎮祭をやった。
貧乏人の小娘である私は、勿論はじめての経験だ。

たかが民家一軒たてるのに、大層なことをするもんだ。

大体うちの旦那は、そんなのが好きだ。
お祓いとか、家相とか。

こんないい嫁をもらったというのに
今だに10代の時に言われた「あなたには女難の相がある」
を気にしているし。


こういうヤツは印鑑詐欺とかにひっかかりやすいのではないか。

私の友人で、オーラの泉が大好きなヤツがいる。
「私もみてもらいたいわぁ～」などと言っているが、それはダメだ。

なんであんないんちきくさいものが彼女は好きなんだろう。
自営業の子供にうまれると、みんなあんな目に見えないモノを信じながら
育つのだろうか。

さて、子供達を授業中外出させてまでやった地鎮祭。
当日の朝は雨だった。

なんとなく暗い気持ちになりそうなもんだが
我が家では心配いらない。
必ず晴れるからだ。

「晴れ女」なんちゅう甘いモンじゃない。

私が予定地に設けられたテントに入るやいなや
暗雲はしりぞき、明るく暖かい太陽の光に包まれた。

嘘じゃありゃせん、ホンマじゃで。

暖かい日の光の中、途中お決まりの河童姫の失態で笑いが起こり
地鎮祭はすすむ。


式がおわりに近づくと、優しい風が吹き始めた。


「この風は大変縁起がよいものですよ。。。」神主さんがいう。


式がすんだので、子供達を学校に帰すべく、車にのった。



するとさっきまで晴れていたのに、雨がポツン・・ポツンと。



ほれ、見てみぃ。
凄い力やろ。

お母さんはストームやねん。


前にもな、こんなことがあってん。

お母さんの道具入れの日。
天気は雨。
なのに、トラックに積み込む時と
トラックから出す時だけ、雨がぷっつり止んだんや。


お母さんは日ごろの行いがエエから、絶対天気に困らへんねん。



聞き飽きた顔をしている闘魂ちゃんを尻目に私はゴキゲンだったが
旦那は旦那で、自分がストームだと思っているようだ。


ま、似たもの夫婦だ。