山の麓には道標が立っています。
かろうじて読めたのは
「すぐかぐやま」の文字だけでした。
お寺の門前にも石標が・・・
と思って、よく見ると
熊野古道で頻繁に見かけた
徳本上人の筆跡に酷似しています。
多分、徳本の弟子が上人の筆跡をまねて書き、
そんな石碑も各地に残っている
とのことでしたので、
これもそんな石標のひとつでしょう。
それにしても泉南の日限地蔵といい、
奈良のこの徳本上人名号碑といい、
いろんなところで、
これまで熊野古道で見てきたものと
重なるものが点在しているものです。
看板に沿って、天岩戸神社の方に向かいます。
そちらが登山口です。
その天岩戸神社がこれ。
集落の中の細い道を抜けると、
登山道が始まります。
「大和三山は有名な山です」
と書かれてありましたが、
有名でなくても自然を荒らしてはいけませんし
火の用心もしなくてはいけません。
その下の紙には
「竹ひこばえの処理をしています」
と書いてありました。
「竹ひこばえ」と聞けば、
都会の人は「ああ、何か有害なハエでも飛んでいて
薬をまいているんだろう」と思うかもしれません。
そうではなくて「ひこばえ」とは
切り株や根元から生えてくる若芽のことを言います。
要するに竹林の整備をしているということなんですね。
道標はしっかりしています。
それにそって歩けば
10分足らずで山頂に到着します。
それにしてもここも芋虫とやぶ蚊が大量です。
いやがうえにも落ち着きのない
早足になってしまいます。
山頂には「國常立命神社」があります。
向かって右が竜王神で
社殿の前に甕が埋められています。
いわゆる、雨乞いの神様です。
ここへ来る前の太子堂の井戸にまつわる話しといい、
広大な奈良盆地のこのあたりは
水不足に困ることが多かったんでしょうね。
その神社の前の広場の一角から、
木枝の間に畝傍山を垣間見ることができます。
それはまるで、
沖縄の斉場御嶽のサングーイの奥から
久高島を眺めるような景色でした。
そうそこはまぎれもなくパワースポットでした。
そんな景色を眺めただけで、
山頂では芋虫を避けつつ、
蚊にも襲われてゆっくりすることもできず、
早々に下山道に向かいました。
下りきったところが、
天香山(あまのかぐやま)神社です。
「具」が抜けているわけではありません。
粉とキャベツだけの
昔の一銭焼きじゃあるまいし。
三文字でこう読みます。
そうそう、「かぐやま」の標記には
「香具山」と「香久山」があります。
ミステリーですねえ。
なわけないか。
名勝としての標記は
「香具山」ですが、国土地理院や駅名など
おおやけには「香久山」が使われているだけのことです。
doironの氏神の曽根神社も
名勝としては「曾禰神社」なのです。
山から下りてくると、
蚊もいないのでホッとします。
ホッとしたら、
またもやあちこちが気になります。
これが「波波迦の木」。
古代亀甲占いに用いた木で、
これに溝を彫った板(波波迦)を作って
使ったといわれています。
ちなみに波波迦は和名で、
今風にいうとウワミズザクラのことです。
おや、民家の屋根の上に何かが座っています。
どう見ても鍾馗さんではありません。
烏帽子を被ったやんごとなき人のような姿に見えました。
これも古代史ミステリーか。
ため池が、おお~アカウキクサに覆われています。
これまで街道歩きで
いろんなため池を見てきましたが、
これは初めてです。
全国的に個体数としては
かなり減っていると聞いておりますが、
このあたりには多いのでしょうか。
池面が地面のように見えました。
チェックしておきましょう。
その池の横にはこんな石が建っていました。
「富士大権現」と刻まれています。
三山のうち唯一火山によって生成されたのではない
この山の麓にのみ
富士権現があるというのも、
なんとなくミステリーですねえ。
この富士大権現の入り口には
「天香山埴安伝稱地道」
と刻まれた石が建っています。
これは何だ?と思いつつも
その時はとりあえず写真だけ撮っておいたのですが、
実はこの石は同じものが
あとにも登場しますので
調べた結果はまたのちほど紹介しましょう。
それよりも何よりももっと気になったのが、
道案内に書かれてあった「月の誕生石」です。
その名前はあまりに大げさで、
まやかしと神秘さとをあわせもっています。
ミステリー歩行ツアーとしては
是非行ってみなくてはなりません。
それは脇道に入って山の中を
2,3分歩いたところにありました。
続く。
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