フキノトウをいただいた。
フキノトウは、
フキが葉を出す前に
地下茎から直接出てくる花茎のことで、
梅の実程度の大きさのものが
もっともおいしいと思われる。
この、フキという植物は
北海道に行くと
民俗学的に非常に重要な植物で、
この葉の下にいるといわれる
コロボックルという妖精と
アイヌにまつわる話は、
かつて民俗学にとどまらず
人類学にまで発展する事態を
引き起こしている。
また北海道の地名にも
その名残をとどめており、
「十勝」
はコロボックルが
アイヌと決別したときに、
残していった呪いの言葉
「トカプッチ」に由来するとも言われている。
まあ、そんな物騒な話は抜きにして、
春の訪れを告げる食材としてのフキノトウは、
食すると適度の苦味ゆえ
滋味を感じ、
ギュッと詰まった
大地の力をいただいているような
気にさせてくれるものだ。
まあてんぷらが最適やな。
これ
御坊市にいる義理の両親の
庭に芽吹いたもので、
毎年これを食べないと
春が来ないような気がするのじゃ。
八百屋さんでもたまに見かけるが、
養殖栽培ものは
苦味が少ないように思うなあ。
やっぱり天然物やな。
人間も同じ。
養殖ばりに大事に育てられた人間より、
はつらつと遊んでる人間のほうが
味があるもんな