今度はいためていた側と反対側の歯に
負担が来ているので
その治療が始まっている。
ロードオブザ歯医者
歯医者通い第2章だ。
萩の後遺症は、思ったより大きかったなあ。
それにしても、前からずっと思っていたけど、
歯科医院はとても
ミステリアスでスリリング
なところやなあ。
なぜ、ミステリアスかというと、
まず大きなマスクとかしてるから、
歯科医や助手の顔も目しかわからない。
ミステリアスや。
多分、近所のスーパーで
歯ブラシの品定めをしている時に会っても
顔がわからんから
挨拶は無理やな。
そして使っている器具や薬の名前もよくわからない。
大口開けて目を閉じて
医者の声を聞いていると
「エクスプローラー」
たら
「コンジュウ」
たら
助手に申し付けている。
ハイと渡されるものは
一体どんなモンやろ。
う~ん見たいような、
見たくないような。
そういえば、
最近の歯科医では
昔のように「アマルガム」という言葉を聞かんなあ。
ま、それはさておき、
ほかにも「15の40」とか
よく分からない暗号も使っていたりする。
15は時間、
40は店の名前で
昼飯の算段してたりするんやないやろな。
また、歯をけずる機械だって
「キーン」と鳴るモノから
「ドドドーっ」と響くものまである。
いったいそれぞれどんな形状、
どんな機能があるんやろか?
その辺がミステリアスたる所以やな。
調べればわかるんやろけど
知らないでいた方が
人生、少し幸せやということもあるしな
ただ、よく分かるのは、
助手に命じる「吸引」という行為やね。
ゴゴゴーっと唾液や
削りカスを吸引してくれるのは、
チョッピリうれしいな。
(変?)
一方、何故スリリングなのかというと、
削る機械の手元がぶれて
舌を削られたりすることはないんやろうか?
そうなったら血しぶきが飛ぶんやろな
というふうに
ついつい
歯科医の失敗を想像してしまうからだ。
とりわけ、
歯を「セメント」と呼ばれるもので詰めて、
はみ出たバリを削り取る時や
歯垢をガシガシ削るときの想像は
非常に怖いものがある。
それは、昔、
美術の時間で版画を彫っている時、
彫刻刀を滑らせて、
思わぬところを削ってしまったときのように、
バリを削る器具や歯垢を除去する器具が
滑ってホッペを貫かないかと
とても不安になったりするからだ。
そして
その失敗は絵まで想像してしまうのだ。
それほど、
歯科医はそんな行為の時に
渾身の力を込めているもんなあ。
まあ、
今んところそんな憂き目にあったことはないけど、
歯医者に行くたびにそんなこと考えて、
治療台の上で口を開けつつ、
子犬のように怯えるdoironなのである。