昼に、ヨドバシカメラにスピーカーコードを買いに行く途中で、ラーメン屋に立ち寄った。いつも通りかかり、ラーメン1杯450円と書いてあり、どんなラーメンなんだろうと思っていて、一度は入ってみようと思っていたところだった。営業中との看板に、思い切って入ってみた。 引き戸を開けて入ると、かなり古ぼけた店で、いくつかのテーブル席に、カウンター席の狭い店だった。
応対に出たのは老婦人、「ラーメンできる?」とラーメンを注文。老婦人は、「はい」とカウンター内に入って、ラーメンを作り始める。
老婦人:「どこから?・・・」
私:「この近く。ヨドバシカメラに行く途中に、いつも見ていたので、どんな店かと興味があったので、入ってみた。」
老婦人:「そう?昭和15年生まれだから、80を過ぎているよ。店は今日までだ。正月も楽しいことないね!」
私:「まあね。孫にお年玉を用意する程度だね。」
老婦人:「私んところは孫も大きいので、お年玉をあげることもない!」
私:「うちは、まだ孫が小さいからね。」
老婦人:「私、ずっと東町から出たことない。若い時は新宿に映画を見に行ったこともあったが、銀座なんて行ったこともない!」・・・(八王子から出たことがないという人は結構いると妻から聞いていたが、八王子の駅近くの東町から出たことがないというのには少し驚いた。まあ、こういう人も結構いるんだね・・・)
そんな話をしていると、ラーメンが運ばれてきた。
「ちょっと味が薄かったかね?」と言いながら、ラーメンをカウンター席に置いた。
見ると、かなり醤油色が濃く、決して薄いという代物ではなかった。蓮華で、一口飲んでみる、色程味が濃いというものでもなかったので、「大丈夫だよ!」と答えた。
昔ながらの醤油ラーメンで、特別美味しいというほどではなかったが、まあ、昔こんなラーメン食べていたなぁと思い出すようなそんなラーメンだった。これで450円、今じゃ、ちょっと安いかも・・・。表通りには今風のラーメンを出す店が色々ある。でも、こういう素朴なラーメンを捨てがたいと改めて思い、「ごちそうさまでした。」と言って店を出て、ヨドバシカメラに向かった。