二人の世界（老年夫婦の場合）

　二人の世界というと、まず、思い浮かべるのは、若い恋人たちの甘い関係だろうが、老いを迎えた夫婦にも二人の世界は訪れる。新婚当初は、二人の世界から始まるが、そのうち、子供が生まれ、三人の世界、そして、子供が増えれば、四人、五人の世界に移って、子供たちが結婚し、独立していくと、それが三人の世界、二人の世界と戻っていく。最近は、多くの家庭では、そこに犬や猫が入って三人の世界がずっと続くことになる。犬や猫は一人じゃないというかもしれないが、家庭の中では、十分一人前の存在なのだ。夫婦二人きりになると、気詰まり感が強くなって耐えられないという人も多く、その分、犬や猫といったペットの存在が重要になるようだ。

　我が家の場合、四人の世界から、急に私が単身赴任で、その場からいなくなった。そこでは、妻と長男と次男の世界が繰り広げられ、その後に、長男が地方の大学に入り、家は妻と次男の世界に変化した。それから次男が就職、家を出ることになったが、週のうちの半分は家に帰って来る生活が比較的長く続いた。そして、妻が一人の世界になったのは、次男が地方に赴任した時期の極短い期間だ。私が単身赴任して、約１３年が経過したときに、妻の病気が発覚し、急遽、私と妻との世界が再開されたという経緯を辿っている。

　ところで、我が家にはペットはいない。私的にはペットが居てくれたら、家の中ももっとスムーズにいくだろうと思うことも多いのだが、妻は犬や猫の毛が散らかることや臭いをまき散らすことに、抵抗感が強く、残念ながら、ペットは断念せざるを得ない状況だ。

　私は、常々妻との二人の世界になったら、しばらくバトルが展開され、二人の世界の中で、新しい関係が作られていくのだろうと考えていたが、心ならずも、妻の病気で、急に二人の世界に入り込むというハプニングが起こったわけだ。そこではバトルは正当なバトルではなく、どちらもハンディを背負うというものになるのは自然なことだ。そんなこんなで、ちょっと不自然というか不本意というかそんな関係で、これまでなあなあで来てしまった。こうなったら、なるようにしかならない、自然の流れに身を任せるしかないともはや諦めの心境というところだ。

　二人の世界というのは、どちらかが物を言い始まると、それが客観的に正しいとか間違っているということではなく、正しく感情の力が大きく物をいう世界だ。また、これまでの因縁というか、積み重ねというか、そういう物に頓着する。だから、話はとても通じにくいことになる。面倒くさいことこの上ない。そうかといって、そこから逃げることもできない。蟻地獄に嵌ったようなそんな気分になることがある。

　まあ、何だかんだと愚痴っていても、やはり進んでいかなくてはならないし、引くに引けないのは確かなのだから、まあ、「そのうちなんとかなるだろう！」と、かなりいい加減なところで妥協せざるを得ないといったところが今の心境かな？

御用納め？

　１２月２８日金曜日　今日は、会社や役所の御用納めの日に当たる。明日から年末年始の長い連休に入る。何となく長年の習慣で、これで今年も終わったという気分になるのだが、実際には、介護に御用納めも長い連休もない。明日もまたいつもように朝が来て、いつも通りの介護の生活がある。まあ、それは仕方のないことだと思うのだが・・・・。

　今日、朝目覚め、目を開けると、カーテンの隙間から外の明るさが目に入ってきた。えっ、何時なんだろう！寝過ごしたのかな？八時過ぎ？これじゃ、午前中にやることが押せ押せになって、１１時のリハビリの時刻が来てしまう。私が休憩する時間が無くなってしまうではないか？と、おぼろげに思った。まあ、寝坊したのは仕方ない、起きるとするか！トイレに行って、時計を見たら、時計の針は６時前を指していた。時計が狂っているのかな？と、居間に行って時計を見ると、やはり６時前を指している。いったいこれは何だったのだろう？単なる寝ぼけ？

　そんなこんなで、今日はちょっといつもと違う朝を迎えた。和室のエアコンを入れ、居間のエアコンを２６．５度に戻し、部屋を暖め始めた。ベランダで一服している間に気温を計ってみると、３度くらいを示している。空は雲一つなく、今日は晴天のようだ。これで、今日一日の始まりだ。ポットをヒーターに掛け、コーヒー豆を挽く。コーヒーをドリップして、コーヒーをカップに注ぎ、一杯飲んだ。寝ていた折り畳みベッドの寝具をかたしてから、ベッドを畳む。そうこうしているうちに、部屋も暖まってきた。さて、妻を起こして、一日が始まった。

　今日も一日、色々あるだろうが、まあ、ぼちぼちやっていくとするか・・・・・

カンカンカンと 火の用心！

　窓から、「カンカンカン」と拍子木の音の後に、「火の用心」という掛け声が聞こえてきた。そうそう、ここ八王子は、江戸時代に甲斐からの攻撃に備えて、江戸幕府が仙人同心を配置した、守りの要所だったという古い街だ。この夜回りは一例だが、この他にも、子安神社では、大晦日から正月は、境内の舞台で、獅子舞が演じられるし、日中は、どこからともなく、お囃子の音が聞こえて来る。日中、和服を纏った芸妓が楚々と歩く光景も見られる。高層マンションが建ち、近代的な風景と、昔ながらの古い町並みとが混在した地域、新旧入り混じっているのも、ここの特徴だろう。

　２０年くらい前に、ここから少し離れたところに住んでいたことがあったが、その時は、夜回りの番が回ってきて、私も、「カンカンカン　火の用心」と街を廻った経験があるので、この音を聞くと、当時のことを思い出し、何となく懐かしく感じられる。今は、どういうわけか、このマンションは、町内会に入っていないようで、そういう地域の役割は回ってこない。これもまた、嬉しいような寂しいようなちょっと複雑な心境だ。

　子供のころ、私の田舎でも、夜回りというのがあったのを記憶しているが、今は、なくなってしまっているようだ。地域の人が団結して、地域を守るという活動をしていたが、今は、消防署に任せっきりで、そういった活動は廃れてしまった。人々の意識が大きく変わってきたということなのだろうが、でも、これで安全が確保できるのか、ちょっと不安になって来る。

京王八王子駅ジュピーターが1月一杯で閉店だそうだ！

　いつもコーヒー豆や香辛料等を買っていたジュピターが閉店になるというハガキが舞い込んだ。前々から、テナント料が高くて、儲けが出ないと店長がぼやいていたが、とうとう閉店することに、いつもコーヒーを買っていただけではなく、買い物の途中で立ち寄り、コーヒーの試飲をしたり、馬鹿な冗談を言って、店長も結構話好きで、話に乗ってくれ、恰好のストレス解消をしていた私としては、とても残念なことだ。結構客は入っていたと思うのだが、単価の安い商品を売って、テナント料月１００万円を支払うのは大変だったようだ。これで利益を出そうというのはちょっと酷な話なのかも知れない。

　ところで、このジュピターでは知っているだけで、７人くらいの人が働いていた。店長は正社員で、失業の心配はないのだろうが、他の従業員の人たちは、パートの人が多いようで、来年２月からは仕事がなくなることになる。就職探し等を考えると、正月ものんびり満喫しようという気分にはなれないだろうと思う。結構、おしゃべりに付き合ってくれた人もいて、何か可哀そうな気がしてきた。これにめげずに頑張ってね！次の仕事が速く見つかりますように、初詣に行った時にでも、神様にお願いすることにしよう！

　次は、どんな店が入ることになるのか？いずれにしても、私の夕方の買い物の順路、パターンが変わりそうなのは確かだ。また、これからコーヒー豆をどこで買おうか？JR駅近くの「カルディ」があるので、結局は、そこに行くようになるのだろう。いずれにしても、今までよりもずっと不便になるのは必至だ。残念至極！

今年１年振り返ると・・・

　今年は、台風あり、大雨あり、地震ありで、大荒れの一年だったような気がする。

　また、国会では、安倍旋風が吹き荒れ、何でも説明もないまま、強引に強行採決で、押し切る暴挙が繰り返され、腸が煮えくり返り、最悪の気分だったような気がしてならない。

　最後の最後になって、沖縄の辺野古埋め立て問題だ。行政不服審査法なんて行政の被害を受けた人を救済する手段を、防衛省が使うなんて前代未聞のまさに暴挙そのものだ。こんな安倍政権が来年も続くかと思うと、来年も、あまり期待できそうもないような気がしてきた。

　まあ、大病をしないように、体調に気を付けて、ここは耐えしのぶしかなさそうだ。やれやれ・・・来年が思いやられるなぁ・・・・