プロテニスプレーヤーの大坂なおみ選手、今度は、試合後の記者会見を巡って、全仏オープンの2回戦を棄権するという前代未聞の行動に出た。去年は、全米オープンで、人種差別問題を巡って、ボイコットするというこれも世界に衝撃を与えた事件だった。結果的には、大会関係者からの働き掛けもあったのだろうが、大阪なおみ選手は試合に復帰し、勝ち続けた。筋を一本きちんと通そうとする姿勢は、尊敬に値するものだろう。
今回は、マスコミ相手の問題だ。大会主催者にとって、マスコミは、最大のスポンサーでもあるわけで、人種問題とはちょっと様相が異なり、大坂なおみ選手にとってはとっても不利な戦いになるだろう。一般のテニスプレーヤーにとって、マスコミの要望に応じて、記者会見に応じるのは、常識と言えば常識的なこと、嫌だと思っても、これを拒否するという発想や選択肢はなかったのではないだろう。ましてや、四大大会で棄権するという前代未聞の選択は、他の人では決してできないことだ。
世間には、思い上がりだとか、たかだか一介のテニス選手が生意気だとか、批判的な声を上げる人たちがいる。しかし、何でも現状を良しとし、あるいはやむなしとして現状を是認していたのでは、いつまで経っても、世の中に変革は起きない。私たちも、現状に対して、「これで本当に良いのか?」と疑問を抱き、再考してみる姿勢が必要なのではないだろうか?すぐには変わらないかもしれないが、挑戦し続けることで、いつかは目的を達することができると信じたい。
最後に、今後、多くの批判にさらされるかも知れないが、大坂なおみ選手には、諦めずに、最後まで頑張って欲しいと応援したい。