光のみちしるべ ~愛だけが現実~

私たちは皆、神様の子供。
内なる神の分光を輝かせましょう。
5次元の光のピラミッドがあなたを待っています。

黒メダカとコーヒー

2007年04月26日 06時33分52秒 | 認知症介護
最盛期には30匹以上いたメダカが、6匹に減ってしまっていた。
このことがずっと気になっていた。
水槽内のメダカたちは心なしか寂しそうに見えた。

の水曜日、体験農園での農作業を変更し、
男性ご利用者さんと一緒に車に乗って、
近隣のお店までメダカを買いに出かけた。

お店の2階には、熱帯魚や金魚、たちが元気に泳いでいる。
その中にビニール袋に入った黒メダカちゃんたちがいた。
10匹がその中で元気に戯れていた。

「へぇ、こんなふうにして売っているんですか?」
とちょっと驚きの表情のKさん。
二人で店員さんから水槽に入れる際の注意点を聴いた。

このお店にはKさんと時々来ては、
ピーちゃんのエサを買ったりしている。
この間は、農園で履く長くつを一緒に探してもらった。

レジで会計を済ませると、
私たちは脇目めふらず、同じ2階にある喫茶店へ一直線。
カウンターに陣取り、しばしコーヒーの香りに酔う。
ちょっとした“男の隠れ家”である。
この日は黒メダカをカウンターの上において、
観賞しながらのひとときとなった。

みちしるべに戻ってからビニール袋ごと水槽に入れ、
温度調整をしてから、
Kさん自身の手で水槽に黒メダカを放流していただいた。
楽しそうな表情で泳ぐ様子を見つめるKさんの横顔が印象的だった。

黒メダカちゃんたち、元気に泳いでくれよ!
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共同体としてのみちしるべ(2)

2007年04月25日 06時25分35秒 | 認知症介護
ある朝、朝礼を始めたその瞬間、電話が鳴った。
(あっ、誰かお休みなのかな?)と思った。
電話に出た相談員が、「あら~、久しぶり!」と嬉しそうな声。
(誰なのかなぁ?)と気にしつつも朝礼を続けた。

その声は、以前ご利用されていたS子さんからだった。
みちしるべのことを思い出されて、ご自宅から電話したらしい。
相談員に近況報告を楽しそうにされていた。

様々な事情でみちしるべの利用者でなくなっても、
こうして時々電話を掛けてきてくれるのは嬉しい限りだ。
みちしるべならではである。
たとえ利用していなくとも、
私たちにとっては利用者のままなのだから。
何か精神的な結びつきを感じさせてくれる。

おりしも全く他の方で、
一旦利用終了したものの再び利用したい、
との電話が担当ケアマネさんからあった。

共同体としてのみちしるべ。
寄合所としてのみちしるべ。
もう一つの在宅としてのみちしるべ。
単なるデイサービスではない“みちしるべ”が、ここにはある。
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どんなに

2007年04月15日 08時13分24秒 | 認知症介護
どんなに多くの資格を取っても、

どんなに多くの研修を受講しても、

どんなに有名な講師の話を聴いても、

一番鍛えて成長させてくださるのは、ご利用者の皆様。

身を持っていろいろなことを教えてくださる。

それが自分の糧となり財産となり、血と肉となる。

だから私は現場から離れない。

迷わず走れ、そして飛び込め。

ご利用者と向き合うことは自分と向き合うこと。

自分から逃げるな。

眼をそらすな。

すべては現場にある。

すべての答えは現場にある。

現場に “みちしるべ” がある。
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共同体としてのみちしるべ(1)

2007年04月15日 05時38分53秒 | 認知症介護
ある日の夕方、送迎の帰り道にNHKラジオを聴いていたら、
とあるNPO法人の理事長さんがニートについて語っていた。
その話の中心は、どのようにしたら自立支援プログラムに参加していただけるか、
ということだった。
プログラムに参加する以前に、家まで迎えに行っても出て来てくれないというのだ。

「あなたたちを社会に適応させて自立できるようにしますよ、
なんていう上に立った気持ちでいたら、誰も来てくれませんねぇ」
「やはり、相手の自尊心を尊重するということですか?」と女性アナウンサー。
「自尊心を尊重するという言葉も上に立った見方なんです。
そういう思いで迎えに行っても誰も家から出て来てくれないんです」
「はあ‥、ではどのようにすればいいのですか?」
「これからの社会には是非ともあなた方の力が必要なんです。
あなたのお力をお借りしたいんです、
という気持ちで接しないと家から出て来てくれません。
事実、ニートと呼ばれる若者たちが益々増えて、
そのまま30代、40代へと進んでいったら社会の大きな損失なんですよ。
これからの日本を支えていく人たちなんですから」

このことは、認知症の人たちの送迎でも同じことがいえる。
家族に代わって介護してあげますよ、なんて気持ちで迎えに行ったら、
誰も送迎車に乗ってはくれない。

「この日本にはまだまだ皆さんの力が必要なんです。
是非ともその力を貸してください」

というへりくだった気持ちで臨まなければ、誰もみちしるべに来てはくれない。
実際、行く理由がない。
誰も介護してもらおうと思って来ていない。
そんなことは大きなお世話なのである。

しかし、自分を必要とする場所で力を発揮し、人に感謝されるならば、
楽しくお喋りをし、腹の底から笑って人と触れ合えるのであれば、
自然と皆が集まって来るのである。
誰が上でも下でもない。
皆、平等なのだ。
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ゆ め

2007年02月28日 06時12分55秒 | 認知症介護
ある朝、みちしるべに行くと、
にぎやかな笑い声が聞こえてきた。
唄も聞こえる。
部屋にはすでに大勢のご利用者の人たちが、
あふれんばかりにいらした。

「あれ、みんなどうやってここに来たの?
誰が送迎してくれたの?」

「社長、おそいよ。
もうとっくにみんな集まってるよ」

見れば利用終了した方々も、
現在利用している方々も、
それぞれの事情で退職したスタッフも、
現在のスタッフも、
みんなが私が来るのを待っていた。

「な~んだ、そうだったの。ごめんねぇ」

そう言って私はみんなの輪の中に入っていった。


そこで、目が覚めた。
目頭に熱いものが込み上げてきた。
すでに亡くなった人たちもいたから。

(今日は日曜日じゃあないか‥)

みちしるべは休みの日だけど、
すぐに身支度をして、
急ぎ足で自宅を出た。
みんなが待っているような気がして。

みんな、会いに来てくれて、ありがとう。。。
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