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しとりん出産日記(4/25) ドキュメント 破水から出産まで(4)

2011年04月27日 08時20分59秒 | スピリチャル

 

心配を手放すということは容易なことではありませんでした。

ひーちゃんと会ったことで心配の半分は解消されました。

けれども、しとりんと会うまではそれがなかなか出来ませんでした。

薄暗いデイルームの中で私は待ち続けました。

 

そして、午後11時40分頃、ついに手術室から呼ばれました。

急いで2階に降りると、しとりんは手術室から隣りのICUにおりました。

執刀してくださった医師が待っていてくださいました。

 

「何とか出血は止まり、子宮の全摘出をしなくて済みました。

麻酔から覚める頃ですので、こちらへどうぞ」

ICUのベッドの中にしとりんはいました。

「もう意識が戻っていますから、どうぞ声をかけてあげてください」

そう言われて、

「俺だぞ、しとりん。よく頑張ったなあ。ひーちゃんはとても元気だよ。

大変だったけど、本当に産んでくれてありがとう」

「そう、良かった‥、良かった‥」

としとりんは目を閉じたまま何度もうなずいていました。

 

「経過はいいので、明日の午前中には3回のMFICUに戻れると思います。

 しばらくそばにいてあげてください」

そう言うと、執刀医の先生はICUを出て行かれました。

看護師さんが椅子を持って来てくれたので、

ベッドサイドに座ってしとりんの左手をそっと握りました。

「ひーちゃん、良かった‥。ひーちゃん、良かった‥」

と何度もうなずきながら話していました。

「良かった。良かった。お前もひーちゃんも無事で‥」

「すーさん、心配かけてごめんね」

「いいんだよ。もう大丈夫だから。お前は一生懸命に頑張ったんだから。ありがとう」

 

24時を過ぎても、私は30分ほどICUにいました。

最後の最後まで波乱万丈の出産だったけど、

しとりんもひーちゃんも二人の命が守られて感謝しました。

夜の病院は眠ることなく、ずっと天使さんたちが働いておりました。

 

 (東京女子医大病院 中央病棟)

 


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