写真ではわかり辛いですが、この列車は停車しています。実はここは停留所なのです。勾配の途中にある停留所ですので、引き出しは難儀を極め、空転を何度も繰り返しやっと出発すると井門様に聞いて出かけたのですが、この日の機関士は腕が良かったのでしょうか?数回の空転だけで、引き出してしまいましたが、それでも凄まじい迫力でした(井門さんのDVDにはその凄まじい空転の様子が記録されています)。 01,02.10 中国・双鴨山 東山 下り客レ スキャナー : Nikon COOLSCAN ⅣED
中国への現役蒸機撮影の旅と言えば予想が出来ないアクシデントが付き物です。まぁ、生命の危機を感じた事はありませんが、肝を冷やした事は何度かありました。その中で、極めて内容が濃く、かついろいろな出来事があった旅行と言えば、10年前2月に出掛けたは国黒竜江省に位置する双鴨山への撮影旅行でしょう!
もともとこの旅行はO谷軍団のツアーに強引に入り込んだ旅行で本体が葦河森林鉄道→双鴨山鉱山鉄道の撮影行程鉱山鉄道を私たちだけ双鴨山だけの撮影に我々だけ変更してもらい、それでいて往復の航空便は本体と同一行程と言う虫の良い旅行でした。
メンバーは豊田机務段様・蒙Aさん・田端の師匠と私の4人でした。
かなりうる覚えなのですが、新潟―哈爾浜便を使い、新潟までは新幹線を使った記憶があります。たしか、誰だかが発駅で特急券を落として、業務連絡書を持って新幹線に乗り込んできた記憶があります。新潟駅から新潟空港まで本隊の皆さんと一緒に路線バスで揺られた事と乗った飛行機がぼろぼろで不安になったことは覚えています。
哈爾浜空港到着後、我々は本隊とは別行動になり、夜に哈爾浜駅前で美味しい水餃子を食べた事。そして事前の打ち合わせなしに通訳・ガイドを伴わず夜行列車に乗せられた事。さらに指定された下車(双鴨山?)站で降りたら誰も迎えの者がなく、非常に不安だった事くらいしか記憶にありません。たしか、到着站では5分くらい薄暗いホームで待っているとほんの少し日本語が話せる通訳とほとんど日本語が話せない地元旅行会社社長がやって来て、ラジカセがガンガンに鳴り響くタクシーに乗せられ、夜明け前の真っ暗の開通していない高速道路を逆走し、突っ走った事は鮮明に覚えています。
哈爾浜奥地の2月ですから夜明け前は-10℃以下だったと思います。炭鉱周辺に到着するとしばらくタクシー車内で黙っていた豊田机務段様が突然、タクシーを停めさせて道路際で嘔吐している後姿が印象的でした。
その後、明るくなって鉱山鉄道の前進型の客レを沿線で撮影していると、我々に近づいてきた老人が凄い剣幕で怒っています。当然、中国語がわからないのですから、何を言っているかわかりません。そうしているうちに前進型の客レがやって来て、撮影をしてその場は収まりましたが、その日の午後にまた、その老人と線路際で遭遇し、また怒り出して豊田机務段様の三脚を持ち去ろうとしました。すぐにほとんど日本語が話せない通訳に何とか事態を説明して現地に行ってもらうと、明らかに喧嘩になっています。手は出していませんが、胸ぐらを掴んで殴り遭い寸前の様相でした。小一時間くらの小競り合いがあり、その場は収まったものの、そのゴタゴタの中でエキサイトした運転手が小型バスを田んぼの深みに落ちてしまい、今度はこの救出に手間取り、現場は線路際なので蒸機が来ればカメラを持って撮影には行けますが、移動はできずただただ救出されるのを待つしかありませんでした。
そのうちに脱輪した小型バスに見切りを着けたガイドが街に車を探しに行ってしまい、我々は荷物と共に道路際で何時間も待つしかありませんでした。 その間に、脱輪した小型バスはレッカー車がやって来て救出したものの、運転手は我々には見向きもしないで、空車で街へ帰ってしまいました。
我々はなすすべくも無く、ひたすらお迎えの車を待つしかありません。その間に夜を迎え、あたりは真っ暗になり空には満点の星が輝き出しました。
ほどなくして、遠くからブラスト音が聞こえ始めました。前進型の客レがやってきたのです。月明かりに前進型が吐き出した白煙がはっきり見えます。時折、カマに石炭をくべるために火床を開けると空が赤く光ります。なんと幻想的な光景でしょうか!我々4人はその美しいに見入ってしまいました。
街へ車を見つけに行ったガイドは結局、適当な車を見つける事が出来ず近くの民家で借りたサンタナに同行4人+通訳と当然ながら運転手の6人が荷物・機材を詰め込んで(当然、トランスは一杯になり左の膝の上にカメラバックが右の膝の上には誰かの身体が乗っている状態で前など見えない状況でした。)
やっとの思いで街に戻ってホテルに戻りましたが、古い炭鉱の街ですからホテルは安普請で隣の部屋で繰り広げられる賭け麻雀の音が筒抜なのには閉口しましたが、幸いにもシャワーのお湯は時間制限はあったものの、ふんだんに出たので、シャワーを浴びてベッドに入ると、隣の部屋のばか騒ぎ等気にならずに寝付いてしまいました。
なかなか面白い線区でしたが、ここも程なくしてDL化され二度と行く事はありませんでした。10年前のとても印象深い撮影旅行でした。
炭鉱鉄道でありながら主力機は上游型ではなく前進型というのがこの鉄道の魅力でもありました。 01,02.10 中国・双鴨山 秀頂山 下り客レ スキャナー : Nikon COOLSCAN ⅣED
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