DT200Aの庫 (goo-blg)

恵比寿のEF58

 先日、恵比寿ガーデンプレイスに訪れる機会がありました。敷地内はすでにクリスマスの装飾がされ、そこだけを見ると不況・株安・雇用不安など何処かに飛んでしまいそうな華やかさでした。
 この恵比寿カーデンプレイスを訪れると必ず思い出すのが、かつてここにあった恵比寿駅の名前にもなったエビスビール工場です。そして我々鉄ちゃんにとってはビール工場共に工場の横に併設されていたエビスビール園でのEF5891号機と3両の旧型客車も鮮明に思い出す事が出来ます。
 このEF58はかつて恵比寿駅からビール工場に伸びていた引込み線を使って搬入され、3両の客車はほとんど改装されることなく、本来の座席に簡単なテーブルがついただけでビール園のひとつのフロアとして開放されていました。客車の台車は手歯止をしただけのもので乗り込むと独特の揺れに感動したものでした。
 旧型客車の座席に座り冷えたビールを片手に窓から外を眺めると205系の山手線や山の手貨物が走って行き、本当は自分が動いていないのに、あたかも相手が停まっていて、自分が旧方型客車に乗り何処かへ旅行へ行くような錯覚に陥ったのを鮮明に覚えています。
 EF5891号機は長らく浜松機関区で荷物列車を牽いていました。そのため黒Hゴムの浜松工場タイプのあまり魅力のないタイプでしたが、山の手線から気楽に眺められるEF58として我々の眼を楽しませてくれたのも事実でした。
 このビール園は86年に開設されたものの、おりしも恵比寿地区再開発の波の中、90年頃にはすでになくビール園はなくなり、旧型客車はしばらく目白駅構内に移動して営業を続けていましたがEF5891号機は現場解体されてしまったようです。



EF58の右側にあるフェンスが引込み線の後です。86,05,25 恵比寿ビール園

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