
太公望で賑わう揖斐川を眺めながら750型がゆっくりと谷汲へ向かいます。 01,09,01 名鉄谷汲線赤石-北野畑 ACROS スキャナー : Nikon COOLSCAN ⅣED
中京地区の大私鉄である名鉄もかつては多くのローカル線を有し、魅力的な線区がたくさんありました。その中で、段を抜いて魅力的だったのが谷汲線でした。その谷汲線も10年前の9月30日に廃止されてしまいました。廃止を前に9月になると休み+好天が重なると必ずと言っていいほど谷汲線で撮影していたと言って良いほどでした。ある時は新宿の呑会の会場に撮影機材を一式持ち込んで、呑会が終わると新宿駅西口から岐阜行の夜行バスに乗り早朝の岐阜駅から谷汲線の撮影地へ向かった事や、新幹線の最終で名古屋に到着し安ホテルで一泊し、翌日の名鉄一番列車で新岐阜経由で谷汲線へ向かった事、また数人で相乗りして中央道経由で谷汲線へ向かった事もありました。

岐阜・大垣の夏はどんでもない暑さになります。かつて現役蒸機健在の頃、夏は大垣と会津若松のC11には近寄らない事と聞いた事があります。共に盆地で蒸し暑く、撮影には不向きだと言う事だ。と先輩から聞いた事があります。谷汲線も真夏に撮影に出掛けた事がありましたが、その暑さに負け、午前中(って言うか朝)だけ撮影して退散してしまった事もあります。まだ9月と言えば昼間は厳しい暑さになりますが、朝夕は過ごしやすかったと記憶しています。一番列車が走る時間はなお更気持ちよかったはずです。 01,09,01 名鉄谷汲線長瀬-赤石 No1 ACROS スキャナー : Nikon COOLSCAN ⅣED

多客期は2連で対応していた谷汲線ですが510型の2連が目立っていましたが、750型の2連も私好みでした。9月と言えばまだまだ暑いので窓が全開で、夏らしい雰囲気が出ています。 01,09,16 名鉄赤石-長瀬 ACROS スキャナー : Nikon COOLSCAN ⅣED
私は廃止直前の喧騒が大嫌いで、廃止直前にはその線に近づきもしないようになるのですが、谷汲線は最後まで撮影したいという思いに駆られました。電化線区ではあるものの、風光明媚で川あり、山あり昔ながらの集落があり、そこを古い電車が単行か2両でトコトコと走る線区など10年前でも気楽に撮影出来ると言えば谷汲線くらいしか残っていませんでした。また廃止直前でもバカ鉄の姿も少なく(全く居なかった訳ではありませんが、他の線区の喧騒に比べれば平穏でした。)、散見したバカ鉄も主に乗り鉄だった(2連となった後部の運転台の警笛を鳴らして楽しんでいるような常識知らずも居ました。)ために、撮影組には実害は少なかった様です、更に廃止直前は北野畑駅や更地駅周辺などの撮影よりは稲富駅周辺とか結城駅周辺等で主に撮影していたので廃止直前だと言うのに他の鉄ちゃんと逢う事も少ない状況でした。

意外とこんな写真を撮るロケーションが少なく、撮影地選定に苦労した事を思い出します。 01,09,16 名鉄赤石-長瀬 ACROS スキャナー : Nikon COOLSCAN ⅣED
谷汲線が廃止と同時に名阪近鉄バスにより廃止代替バス運転開始を開始したものの、需要(旅客)はどんどん減少し代替バスも05年には廃止され今は樽見鉄道谷汲口からの村営バスしか残っていないのかもしれません。本格的に撮影のために初めて谷汲線を訪れた時は華厳寺(谷汲山)への祭礼の日でした。その日の駅前は参拝の人でごった返した事を思い出すと、この衰退は隔世の感があります。

更地駅周辺は駅の谷汲よりに町工場が出来て雰囲気が一変してしまいました。 01,09,02 名鉄谷汲線更地-北野畑 ACROS スキャナー : Nikon COOLSCAN ⅣED