とても面白くて、通勤の友になっている本
副題は
”不登校・うつ・発達障害 思春期以上、病気未満とのつきあい方”
帯には
”思春期はいつもグレーゾーン。悩みか病気かあいまいな子どもと向き合うためにベテラン精神科医が明かすヒント”と書かれています。
この本の中から、
この本の中から、
一言でいうとどんな病気か
・統合失調症
よくわからなくなる病気
自明性の喪失の言い換えたもの。認知機能障害。
問診の一例として、「あたりまえのことがよくわからなくなっちゃった感じですか?」「まわりの世界がいつもと違う感じ?」
・うつ病
動けなくなる病気
気分障害であるが、やる気がでないことよりも、体が動かない、動けなくなることの方を強調。
「朝は特に動けないでしょう。」
・躁について
「逆に止まれない!ってほど調子が高かったことは、これまでにありませんか?」
・神経症圏の病気
生きる辛さや苦しさを病気という形で表現している状態
病気とはやや異なるので状態と表現
思いやる表現は大切だが、苦しさのアピールのような安直さにならないバランスが重要。(甘やかしに通じないように・・)
特殊なわがままという表現も
・解離性同一障害
キャラを立ててピンチを乗り越えようとしている状態
周りの人には、まず、そのピンチをわかってもらうのが第一歩
・強迫性障害
わかっちゃいるけどやめらない病
やめられない苦しさに共感を示し、周りには見て見ぬふりをするようお願いすることも。周りが巻き込まれて強迫を強化してしまうことがあるから。
・発達障害
(生まれつき)上手にできないということ。
例えば、
ADHDでは「上手に話が聞けない」「上手に片づけができない」
LDでは「上手に読めない」「上手に計算できない」
広汎性発達障害では「上手に人間関係を築けない」「上手に気持ちの切り替えができない」
まるっきり「できない」のではなく、上手にできなくても「その人なりにできる」あるいは「できるようになる」つまり、発達障害であっても発達する」という含意があるのだ。
山登敬之.子どものミカター不登校・うつ・発達障害 思春期以上、病気未満とのつきあい方‐ 日本評論社,2014(一部抜粋、一部要約)
こうした疾病や状態の簡潔な表現方法、問診のポイントや声掛けの方法、導き方や医師の役割、薬が必要な時にどのような説明で飲んでもらうよう努めているか、沢山の診療、日常生活へのヒントが・・
本当に、目から鱗が落ちるよう・・
子育て中にこの本があったら、私はもっと上手く子たちに付き合えたと思う。
子育て中にこの本があったら、私はもっと上手く子たちに付き合えたと思う。
しばらくこの本の中の言葉の引き出しに入れておきたいところに触れてみたいと思います。
最後に・・
集団になじめなかったケンタくんの話。
(筆者が本書籍のなかで考察している引用書籍の話)
小学校4年生まで学校では口をきけず、友達もいなかったケンタくん。
勉強ができなかったのですが、店番で景品の本を読み、漢字にはつよかったことを、ある日、担任の先生が褒めてくれます。
また、図書委員に一票がはいったことなどのきっかけがあり、ケンタくんはその後、作家になりました。
そして、幼いころの遠い自分に向かって、「大丈夫だから、そのまま歩いて来いよ」と言うというくだり。
この言葉、いいなあ。
この言葉、いいなあ。
10代の自分に向けてこの言葉をかけてみると・・
何だか、心にゆとりを感じることができます。
人生、どこかで帳尻があってる!
最後の
「大丈夫だから、そのまま歩いて来いよ」
いいですね!!
私も子供にそう声をかけようと思いました。
そして、やはり小さい事でも他者から認められたと感じる経験も大切なんですね。
茶道教室でもそういう声かけを心掛けます。
小学校の先生が、最近のお子さんには、ぼーっと空を見るとか、草原に寝転がるとか、一見無駄に見えても余白みたいな時間が必要なんじゃないかなとおっしゃっていました。
効率や時間短縮ばかりに目がいきますが、もう少しゆったりと暮らしてもよいのかもしれません。
茶道教室の生徒さん、嬉しいでしょうね!
小学校の先生の言葉も、いいですね。
もしかすると、子どもたちに求める以上に、大人が余白を持たせてあげることを大切にしないといけないのかもしれません。
コメントに私自身振り返りました・・