緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

救急でさえ受けきれない。では、末期医療は・・(1)

2007年10月03日 | 医療

産科医不足が言われています。

急性期病院の産科は
多くは婦人科と一緒になっていて
産婦人科と言われます。

婦人科でエネルギーを使うのが
がん・・悪性腫瘍です。

産婦人科の当直は本当に過酷です。
一日中、緊急手術、分娩、処置、外来、回診
薬剤指示・・それはそれは、大変です。


救急車の要請があったとき
外部からの飛び込み処置を
受ける余裕はまったくないほど
の状況が先日の奈良のケースでも
報道されました。

これは、実は産科、産婦人科に
限ったことではありません。
手術場に拘束される時間が長い
外科系では、同じように
昼夜なく病院内では
働いています。

私自身外科系に
はじめ席を置いていました。
2ヶ月ICUに24時間体制で
泊り込んでいたこともありましたから
その過酷さは理解できます。



多くの方がおっしゃいます。
急性期病院の一般医も
緩和ケアに熟知してもらえたら・・

私も、そう思っていました。

でも、今の急性期病院の現状では
救命救急でさえ、ぎりぎりの状況です。
とにかく、安全に
がん治療を受けて頂ける様に・・
精一杯、一般診療医も
頑張っているのが分かるだけに
言えなくなって来ました。

徹夜明け・・
魂が抜けたように疲弊した医師達に
エレベーターの中で会うと
きっと、
がんの患者さんに寄り添おうと
ベットサイドの椅子に座ると
猛烈な眠気が襲ってしまうのではないかしら・・
と思ったこともあります。
(つづきます)


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