緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

裸身を公開した乳がんの歌人(4)心も体も魂も

2008年03月20日 | 医療

社会的には、『初期からの緩和ケア』として
『がんと診断された早い時から痛みに目をむけ
 オピオイドをはじめとした薬物的疼痛緩和を行う』
という構図ができつつあります。

とはいえ
緩和ケア≠がん疼痛治療であり
緩和ケア>がん疼痛治療であることを
忘れてはいけないのです。

 
まずは薬物投与で
症状がコントロールできることが大切ですが
それだけに留まってはいけないのです。

緩和ケアとは
心も体も魂も
丸ごと一人の人の痛みとして
支えていくケアなのです。 

さらに、
患者さんは精魂こめて生き様をぶつけられてきます。 
緩和ケアに従事するものは
自分の死生観を研ぐ努力をしていかなければ
患者さんの慟哭の前にまたたくまにうちのめされてしまいます。 
緩和ケアは魂と魂のぶつかりあいなのだと痛感します。 

宮田さんは、2005年3月28日34歳で旅立たれました。 
ご冥福をお祈りいたします。

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3 コメント

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コメントありがとうございました (aruga)
2008-03-21 22:12:29
キャサリンさん
春は心をやさしくしてくれます。イースターは23日でしたか。復活祭ですね。コメントを読ませていただくと、悲しみや不安の中にも、沢山の希望や喜びがあることに気がつきます。

ぴょんさん
本当に、大切なことです。
ご家族も、そして、見送った後も、見守られていますよ。
返信する
本当に。 (ぴょん)
2008-03-21 09:47:12
魂から、ぶつかって行くような人生最後の数ヶ月・数日を過ごす場所だったりもしますので、その心を、どうやって支えるか・・・。それが一番大切で、大変な事だと思います。

家族ごと、受け止めてもらえる事が大切であるとも思います。
返信する
慟哭の文字に涙 ハラハラ (キャサリン)
2008-03-21 03:28:56
ご家族へは、月単位の告知であったでしょう。 厳しい病状、TS‐1を服用 4年半 頑張った友。 まさに 先生が書かれた、 魂と魂の時間を共有しました。 緩和病棟で最期の別れに… ベットに背中をもたれ、座している彼女の瞳に無念さの光りが。 うちのめされ、今だ立ち直れません! 19日、CT(蕁麻疹出現、像影剤未使用)で 副腎のリンパ節肥大の影。来月 MRI。6年前のS状結腸か、4年前の乳癌からか? 歩行中、左膝の激痛。 骨塩定量の検査。 ひたひたと 忍び来る転移の影に怯え… けれど、目に映る花ばなに心癒されてこぶし、紫、白木蓮、雪柳、連翹、ミモザ。 横浜の桜の開花は24日とか。癌友、病友との花見の約束、今年は写真に残します。 23日はイースターです。 教会に集い 祝える事を感謝します†
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