アメリカに住んだ街は、時々竜巻が通る街でした。
それまで、自然災害で竜巻の経験はありませんでした。
引っ越して早々・・
一度、空が真っ暗になり、
おかしいと思って、TVをつけたら竜巻情報が流れていました。
竜巻は、一瞬にして
水平に回る刃物のようにすべてを切り取って巻き上げていくと
知り合いになれた近所の方から教わり、
兎に角、窪みに身を隠すことと言われました。
空が真っ暗になった中、ラジオをつけて
身をひそめ、数キロ先を竜巻が通って行くのを子供達を抱えて待ちました。
恐怖の中、励まし続けてくれたメロディが
「虹の彼方に」でした。
様々な災害の中で、
音楽は大きな励ましになります。
きっと、今も、誰か・・
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毎日お忙しいことと存じますがどうぞご自愛くださいませ
hiroさんの温かなメッセージが、さらに心を支えてくれます。
患者さんの中でも音楽療法士にリクエストされる方が多いですよ。そのせいか、お葬式の時や病棟から遺体が搬送される時にする儀式の曲として選ばれることも多いですよ。
儀式はホスピスによって違いますが、スタッフにとってお別れの儀式です。遺体にキルトのブランケットをかけます。そこには蝶やトンボのモチーフがあります。蝶やトンボはリーンカーネーションの象徴です。病棟にいるスタッフ全員が仕事を止めて搬送を見送ります。音楽療法士が音楽を奏でて、家族がストレッチャーを囲んで歩きます。スタッフの中には詩を読んだり、最後の言葉を言ったり、家族も感謝のメッセージや患者様にさよならを言います。
IZバージョンのこの曲はここから聞けますよ。
http://www.youtube.com/watch?v=0ltAGuuru7Q&feature=fvw
本当に、沢山の人に歌われていますよね。この歌は・・
Over the Rainbow
大切な人との別れは、嫌でもいつかは経験することです。音楽は、どんな言葉にも優る慰めとなり、新しく温かな感情が生まれくる力になると思います。
この曲は、私達が行っている遺族会-虹の橋-のテーマ曲でもあります。
本当に良い詩と曲ですよね。
すみません。ちょっとだけこの場所をお借りしてT君という名もない人ことを書かせていただいても良いでしょうか?
今回の災害犠牲者は、あまりに大量だったので、その“死”すらが、小さく簡単になってしまいそうで、やるせない思いで一杯です。私も親しくないT君ですが、小さな新聞記事に気付いたことに、何か理由があるのかもしれないと、勝手に意味付けしています。
-T君のこと-
T君は、2歳年下の弟の同級生でした。
小さく痩せていて、紙のように白い顔をしていました。
少し鈍いところがあったのか、からかわれやすく、いつも一人でいることが多い男の子でした。
なんとなく気にかかる男の子でした。遠くから見ている私に気付き、じっと見つめ返してきた寂しそうな表情を、今でも覚えています。
故郷を出て数十年が経って、時々弟からT君のことを聞くこともありましたが、やっぱり一人でいる人でした。
母が病気になって、隣町の少し大きな病院に入院した時、T君はその病院で清掃の仕事をしていました。弟と話し、母親が入院していることを聞いたT君が「大変だね、大事にね。」って言ってくれたことがあったと、後で聞きました。
私は“T君仕事をしていたんだ、良かったな。”と嬉しく思いました。
3月18日 新聞にT君の名前が載っていました。東北関東大震災の死亡欄に。
T・M(48)とただそれだけでした。
弟に確認しました。「たぶん間違いない。」「T君ってO病院で清掃してたんだよね?」「うん。でも、3年ぐらい前にリストラで辞めたんだよ。最近は家で親と一緒にいたはずなんだ。」
新聞に出た名前、気づいたよ。
T君、あの時、私の母親のことを心配してくれてありがとうね。
話したこともなかったけれど、あなたが死んじゃったこと、悲しくて泣きました。
T君へ
影が薄い印象の知人の方が、ひっそりと亡くなられたことに、鎮魂のお気持ちでここにお書きくださったのだと感じました。
死の背景には、お一人お一人の物語があります。Tさんが、生を受けてよかったと思いながら48年過ごしてくださっていたら・・と思ってやみません。
ともに、祈らせていただけたらと思います。