緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

自分探し

2009年12月04日 | つれづれ
最近、ある方から、「先生のロールモデルは誰ですか?」と聞かれました。



roll model

具体的な行動技術や行動事例を模倣・学習する対象となる人材。
より意識的にロールモデルを選び、分析したうえで学ぶことが求められる。
(Goo辞書 スペルは出典のまま)





このロールモデルという言葉、ちょっと抵抗感があります。

私たちの分野、特に女性は、ロールモデルという言葉を
リーダーシップにおける行動の根拠を理解し、
行動パターンを身につけていくというより、

上手く子育てと、医師を両立した人の
生き抜き方の道しるべ的に
使ってしまっていることがあるからです。

生き抜き方には、それぞれの背景があり、
それに合致した対処をしなければ
難しいわけで
先輩の道しるべは、必ずしも道しるべにはならないのです。





本来の意味するロールモデルに立ち戻り考えてみます。

行動様式が分析できるような身近な存在としてのモデルです。

しかし、身近から学びとろうとすると、
影響を受けやすい私などは、
分析に至らず、
多分、引きずられてしまい
単なる模倣に留まってしまうだろうと思うのです。

私の中には、
そういう意味で、
分析対象的なモデルはありません。
が・・
身近ではなく、遠く憧れている方はいます。
緒方貞子さん
難民支援において、まずは、現場に足を運び、自分の目で確かめていく姿勢にひかれます。








私にとって、本当に、大きな意味があったなあと思うのは、
子育てをしていたときに
自分のアイデンティティーを求め
さまよい続けていたことでした。

医療に渇望し、
なりたい姿を思い描き続けていました。





最近、大好きなコマーシャルがあります。

イチロウをTVでじっと見つめ、
少年野球で空振りをしながらも
がんばる息子を見つめる父親の言葉。



「なろうと思っても、なれるわけではない。

 でもな、なろうと思わなきゃ、何にもなれない。」


本当に、そうだと思います。




若い女性医師から相談を受けたことありました。
ロールモデルが見つからないと。

見つからなくても、大丈夫。
ロールモデルは
探せなければならないものではないはず。

逆に、モデルがいても、
自分のなりたい姿が見つからないと
単なる模倣に終わってしまうわけですから。

まずは、自分の10年後・・・
どんな自分でいたいか
なりたい姿を思い描いてみることから始めてはどうでしょうか。


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3 コメント

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Role Model (missy)
2009-12-04 17:12:39
言われてみれば、私も憧れる人はたくさんいても(そうなんです、たくさんいるのです)、この人!って言う人はいないかも。
それよりも、こんな風になりたい、と思い描く方が多いかも。

今年は私にとって飛躍の年ででした。カナダで大学院への進学、そして日本での講演。実は両方10年前に思い描いていたことで、、、夫に10年前に話していたことが両方現実になって、感心するよ!と褒められました。実はそんなことを初デートで夫に話したことはすっかり忘れていました。

やりたいことを、こつこつと、チャンスは逃さず、楽しんでとやっていたら、ここにたどり着いたのです。振り返ると本当に良くやったと自分でも褒めたくなるけれど、夫が言うように”夢をしっかり持っているから”なんて思いはまったくありませんでした。

でももしかしたら、憧れやすばらしい人に囲まれていくうちに力をもらったのかも、、と。
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私もあのCM、好きです。 (PANDAの妻)
2009-12-05 01:14:09
最初にロングバージョンタイプのCMを観たようでラッキーでした。私も、あのお父様の言葉に感動しました。
先生の記事を拝見していて、かなり下世話な話で申し訳ないのですが、「理想のタイプは?」と、聞かれた時と同じ心情のような気がしました。
そういうことをすらすら言う人に限って、なかなか「いいひと」に恵まれない…と、根拠は特にありませんがなんとなく確信めいた気持ちを、かなり若い時から持っていました。
マニュアルや見本が無いと不安、理想的なものをある程度描いていないと掴めない、そんな世代が、それだけ増えているのでしょうか?何か、それって違和感を感じてしまうのですが…。そういうのは、古い世代の部類なのでしょうね。
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コメントありがとうございます (aruga)
2009-12-07 22:24:30
返信が遅くなりましたこと、お許しください。

missyさん
rollは、roleですよね。
コピペしたままにしてしまっていました。

気が付いたら・・ということは、とても、大切なことなのかもしれませんね。力まず、無意識だけれども、確実にそちらを向いている自分ーというなのかなあと思います。
missyさんの夢の実現の力強さとそこを言葉にして褒めてくれるご主人に感嘆です。

PANDAの妻さん
あのコマーシャルには、ロングバージョンがあったのですね。わあ、観たいなあ。
理想の人の話・・本当にそうだなあと思います。そんな風に思いながら読んでいると、PANDAの妻さんはご主人とどうやって知りあわれたのだろうって、疑問がわいてきます~
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