緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

後世に遺すべき物は何?

2007年01月20日 | つれづれ

熊谷さんは、私にとても大きな影響を与えてくださった患者さんでした。
企業の管理職であった彼は、多くの後輩が去るとき
必ず渡したものが、内村鑑三の「後世への最大遺物」だったそうです。

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鑑三の明治27年の講演録でした。
『この美しい地球、この美しい国、この楽しい社会、このわれわれを育ててくれた山、河、これらに私が何も遺さずには死んでしまいたくない、との希望が起ってくる。』では、私達は何を残すべきか。

第一に金(財)、事業、自分の思想・文学(著述)、そして教育。
と鑑三は列挙します。

それらには才が必要で、凡人である自分には到底及ばない。
ならば、何人にも残すことができる最大のものは何か。

鑑三の答えは、『勇ましい高尚なる生涯である』

クリスチャンであった鑑三は神の国に通じる生き方を述べていますが、
何人にもできることとして、自分の人生を精一杯生きること
それこそ最大の遺物であると読み取れます。
どのような人が立派であるかと問われた時、私はまっさきにこの本を思い出しました。
そこに、私に生き様を示してくれた多くの人生の先輩達の裏づけがありました。どんな人であっても、共通しているのは精一杯自分の人生を生き抜いたこと。それが何と崇高なもので、私の胸に深く刻み込まれていることか。
そして、自分を振り返るとき、何をしたかにとらわれず、自分に誇りを持ち真摯に生きることが大切なのだと思ったのでした。

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