いつもほとんど手にしない紙の新聞をめくっていた木曜日の朝。
ある記事に目が留まりました。
うそでしょ・・
仕事柄、厚生労働省のがん医療の審議会などにこの数年間関わってきました。
国の方針を決める数々の会議で、厚生労働省の事務系の方、医系技官による推進官などで構成されたチームが対応します。
会議日程調整、課題の整理、方針案の作成、関係部署との調整、有識者参考人との調整、会議資料の取りまとめや作成、配布、事前レクチャー、議事録作成など・・・
沢山の労力が注がれ、一つのメールには5人くらいCCがついていて、一人が休んでも必ず他の方が同じように動ける仕組みが作られていました。
役所ですから、2年に1回位の頻度で部署異動がいつものことになっていて、お世話になっていた方から突然、異動のご挨拶が来たり、いつの間にかお名前が見かけなくなったりすることは日常的なことでした。
このような中・・
厚労省のエース
と感じる方がいらっしゃいました。
会議の度に明るくご発言され、取りまとめていく姿勢は素晴らしく、第3期がん対策推進基本計画が発出され目に見える結果に繋がっていました。
いつの間にか、お名前を見かけなくなっていましたが、エースだからこそ、多方面に引っ張られるのでしょうから、特に気に掛けることはありませんでした。
何気に手に取った新聞・・・
12月8日(木)朝日新聞「患者を生きる」4432
48歳肺がんステージ4に
目に入った写真・・
まさに、その方でした。
朝日新聞デジタル・・
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早くから行政官への道を意識し積極的に選択され、公衆衛生的なアプローチで尽力され、沢山の期待を背負っていた時。
コロナ禍で大変な最中の2020年の健診から精査診断され、2021年に治療開始、仕事に復帰されながら今も治療も継続されている様子が書かれていました。
がん検診、オリゴ転移、ゲノム(遺伝子検査)コンパニオン検査から分子標的薬の選定、お子さんへがんを伝えながらがん教育のことを考え、仕事と治療の両立、まさに、今も議論しているがん対策の課題の多くがこの2年間の歩みとして書かれていました。
この治療に至るプロセスは標準治療そのものでした。
患者でなければ気づけないことが沢山あります。
今も国の施策に関わって下さっていることを知ることができ、とても、とても、心強く感じています。
治療が安定して継続できますように。
この経験が仕事に活きていきますように。
ご家族と共に、幸せな時間を重ねていかれますように。