緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

劇的に効果があったのが・・

2007年07月14日 | 医療

がんの転移による圧迫骨折の労作時激痛に
NSAIDs+オピオイド+バクロフェンが
9例のうち、8例著効でした。

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で、患者さんに 説明しました。
「オピオイドと同時投与ではとても効いたのだけれど
あなたの痛みはがんではないから
オピオイド以外でまずは徐痛を試みましょう。
バクロフェン単独でどこまで効くかわからないけれど
チャレンジする意味はあると思う。
ただ、保険適応は、痛みにはありません。
副作用は胃もたれ感。
大量に投与すると脱力感。
でも寝たきりなので
これは副作用として感じがたいかもしれません。
代替薬としては・・・
など、など・・」
メリット・デメリットを説明し、承諾を得ました。

粉砕も可能であることを確認しました。
まずは、バクロフェン5mg/錠 3錠分3から

翌日くらいには、
「日中は、かなりいいけど、夜間が以前と同じくらい痛い・・」

で、朝1錠、昼1錠、夕1錠、眠前2錠としました。
これが、劇的!!

すぐに、体位交換時、10のいたみが5/10まで下がりました。
苦痛がなくなったと表情和らぎました。
主治医もその効果に驚きの顔!

いや~ 効くだろうとちょっと期待はありましたが、
単剤で、ここまで、効くとは正直思っていませんでした。

中枢性筋弛緩薬で、GABA(ギャバ)B作動薬です。
これは、神経の興奮を鎮める作用があります。
(GABA入りチョコが心を静めます
って宣伝見たことありませんか?)

神経の痛みに効果がある鎮痛補助薬として
教科書にも出てきます。
比較的電撃的な疼痛に効きやすいと。

がんでは、経験済みですが
良性疾患の骨折に
オピオイドなどの併用もなく
ここまで効くとは、すごいことでした。
今では、体位交換時3/10くらいです。
患者さんに感謝されたことが何より嬉しいことでした。

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5 コメント

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Unknown (みゅー)
2007-07-15 04:01:24
私の父は脊柱管狭窄症で相当痛いようです。しかも以前痛み止めで出血性胃潰瘍になったので、痛みの勉強をしても、いい方法が分かりません。がん以外でも痛みって強いんだなあと実感しています。脊柱管狭窄症にもバクロフェンは効果があるでしょうか?
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コメント (aruga)
2007-07-15 10:46:26
痛みは色々な種類があり、一概には言えないところがあります。あえてコメントするならば・・脊椎管狭窄症のような原因部位が広い場合、バクロフェンは難しいと思います。ペインクリニックなどでご相談されるとよいと思います。
返信する
お礼 (みゅー)
2007-07-15 17:39:13
コメントありがとうございます。先生のブログは毎日楽しみに開いています。知識や経験など勉強になることばかりです。それに加えてホッとするような内容もあって心の癒しにもなります。今回は個人的に父の痛みの事を相談しましたが、色々な痛みを原因から考え、コメントを参考にさせていただきます。

返信する
Unknown (ぺがさす)
2007-07-17 17:21:17
呼吸器内科医です。
バクロフェンの癌性疼痛に対する投与は、先生方の
間ではごく一般的なことなのでしょうか?
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コメント (aruga)
2007-07-17 23:22:48
みゅーさん
応援してくださってありがとうございます。あまり役に立つコメントができず、申し訳ないです・・お父様、痛みが少しでも楽になるといいですね。

ぺがさす先生
一般的というほど汎用されている薬剤という印象ではありません。テグレトール、リボトリール、トフラニール、トリプタノール、アモキサン、メキシチールあたりが鎮痛補助薬としては一般的かなあと思います。バクロフェンは、教科書には載っていますが、自らチャレンジすることは少ない薬剤だろうと思います。しゃっくりなどには使うこともあるかと思いますが。
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